目次
第1部 マルクスの資本主義認識(初期マルクス―疎外論的「市民社会」把握;唯物史観の確立―疎外論から歴史的形態把握への転換;「ブルジョア的生産様式」―資本主義範疇の認識;「資本制生産様式」―資本主義範疇の厳密化;マルクス史本手技範疇―『資本論』における商品形態と資本制生産)
第2部 宇野弘蔵氏の資本主義認識(宇野弘蔵氏の唯物史観理解;資本主義範疇の認識;「原理論」的資本主義;原理論の構築とその特質;純粋化傾向の「逆転」;現代資本主義と資本主義範疇)
著者等紹介
重田澄男[シゲタスミオ]
1931年生まれ。1954年、京都大学経済学部卒業。静岡大学名誉教授・岐阜経済大学名誉教授。経済学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
14
マルクスが資本主義をどのように発見していったのか、マルクス自身の文献から考察した内容となっています。疎外論としての「市民社会」把握から唯物史観を確立していったのは、初期のマルクスの文献から読み解くことができます。そして「ブルジョア的生産様式」という概念にたどり着き、「資本制生産様式」に至る過程も詳しく述べられています。資本主義という用語はマルクスが編み出したものですが、その理論発展過程を学べました。後半は宇野理論の批判にあてられており、宇野理論がマルクス主義を歪めて把握していることが学べました。2014/12/21