- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
戦争が始まったとき、イレーネ・グートは17歳、愛国心に燃える看護学生で、敬虔なカトリック教徒ではあったが、ごく普通の少女にすぎなかった。だが、戦火が拡大するにつれ、ポーランドをはさむ二つの大国の兵士たちが、彼女の愛するものすべて―家族、故郷、純潔―を奪い去る。逆境の中で彼女の意志は強まり、強大な敵に対する抵抗が始まった。ブロンドの髪と青い瞳、ドイツ人が好むアーリア人種的外見を武器に、イレーネはナチスの将校たちから情報を盗み、ゲットーのユダヤ人に流した。また、強制収容所のユダヤ人たちを森に逃がし、ドイツ軍の倉庫から食糧や毛布をくすねて運んだ。そしてナチスの少佐の家政婦になったとき、その少佐の家の地下室に12人のユダヤ人をこっそり招き入れ、ドイツ軍敗退のときまで隠しおおすことに成功した。米国の著名な女流作家ジェニファー・アームストロングの筆による、詳細にして感動的な回想緑を通して、一人のヒロインの勇姿が生き生きと浮かびあがる。
目次
第1部 もう少し速く走れたなら(リラの花が咲くとき;嵐の前;電撃戦 ほか)
第2部 翼を探して(幸せになれると思ったとき;リューゲマー少佐;大海の一滴 ほか)
第3部 やすらぎの地はいずこ(いざ、闘いへ;逃亡;ドイツにて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
25
夏の旅行の機内で観た映画 Irena's View (イレナの誓い)が実話ベースというので、もっと情報をと探して見つける。ユダヤ人を12人も匿って救ったポーランド女性の回想録。映画になっている時期の前後もたいへんな経験をされていた。いやいやすごい。映画は回想録にかなり忠実に作っている。わかりやすくて受け入れられそうな作品なので日本でも公開したらいいのにな。詳しくはブログに記録。https://chekosan.exblog.jp/34303956/2024/11/24
Arte
0
ナチ高官のメイドになった若い女性が、豊富な物資を利用してユダヤ人を高官の家の地下室にかくまった、というのがメインなのだが、それよりいきなりドイツとソ連が攻め込んできて、母国ポーランドはすっかりなくなり、ソ連支配地域でも、ナチ支配地域でも酷い目に合わされてレジスタンスに入り(ついでにユダヤ人も救い)、戦後もソ連の影響は続くし、虐殺を目撃したトラウマもあるしでアメリカに脱出、という人生が何とも大変。2012/08/12