バイティング・ザ・サン

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  • サイズ B6判/ページ数 553p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784916199584
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

アンドロイドたちが奉仕する完璧なる理想都市、フォー。そこで暮らす人間たちには、制限のない快楽や、苦痛も病もない人生が約束されており、人々は好きな外見や性別を選び、永久的に生き続けることができた。少女は仲間たちに囲まれ、都市の恩恵に浸って暮らしていたが、この何不自由ない世界に完全にはなじみきれずにいた。手さぐりをしながらその原因を探ろうとする少女。だが、真実を求めてもがけばもがくほど、彼女は仲間や世間から疎外されていった。多感で臆病な少女が、孤独に打ちのめされながら選んだ、ただひとつの道とは?そして最後に解き明かされる、真のユートピアの姿とは―?タニス・リーならではの独創性と、色彩豊かなファンタジー性をそなえた異色のSF大作。

著者等紹介

リー,タニス[リー,タニス][Lee,Tanith]
1947年にイギリスのロンドンで生まれる。CatfordのPrendergast Grammer Schoolで中等教育を受け、9歳の時から創作を始める。卒業後は図書館の助手や店員、文書整理係、ウェイトレスなど様々な仕事に就き、25歳の一年間は美術大学で学んでいる。1970年から1971年にかけて、子供向けの本を3冊出版。1975年にDAW Books USAが「The Birthgrave」を出版。その後立て続けに26冊が出版され専業作家となった。長きにわたり世界中で愛読され続ける彼女の作品は、長編、短編、シリーズものなど、15カ国以上で翻訳されている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shimaneko

4
40年近く前の作品とは思えない斬新さで、めっちゃ面白かった!「ダーク・ファンタジーの女王」と称される超有名作家らしいけど、すいません、まったく存じませんでした。三浦しをんの書評を読まなければ、いまだに知らないままだったかも。欲を言えば、もっと若い頃に読みたかった気がしなくもないけど、他の作品も探してみようっと。2013/07/04

madhatter

4
ユートピア≒ディストピアに対する疑問と脱出という構成は、SFでは恐らく目新しいものではない。また、人間を傷付けられないアンドロイドと、それに従う人間という世界設定に、中心の空洞化を感じる。但し、主人公の疑問がダイレクトにではなく、挿話の集積によって浮かび上がるように描かれるのは良かった。また、脱出後の生活も、それで終わりではなく、様々な起伏に富んでいて、特に終盤の展開は非常にスリリング。加えて、脱出前の絢爛豪華だが無機的な美と、脱出後の簡素で有機的な美が書き分けられ、それぞれ美しいのはやはりリーらしい。2011/08/27

ユキモリ

3
遥か未来、人類は外見も性別も簡単に取り換えられるという不老不死の手法を取り入れて、労働はアンドロイドが担う人工的でカラフル&ポップな世界で遊びや快楽に身を浸している設定。そんな中で違和感を持つ少女が現れる前半はやや単調で読むのに時間がかかった。後半ある事件を起こした少女が砂漠に追放されるあたりから俄然面白くなってくる。腐臭がするユートピアを追放された少女が原初ユートピアを創造してしまうという痛快さ。やがては真実の愛情まで手に入れる未来は作者がタニス・リーだとは思えない明るさで楽しく読了。2014/05/16

katka

2
少女趣味による失楽園! ただし、自主的に何度転落してもなかなか追放されません。FTの読者層にとってリーのイメージとは80~90年代に訳された作品群によっていて、その華麗や耽美を挙げて『闘うヒーローと美貌の乙女を兼ねた主人公、エロティシズム、色彩センス…』と見慣れている諸姉なら本作を幾分陰険な思いで読み返すことができます。これ1976年でリーの初期作品です。なんの悪意か、邦訳は2004年ですが。さいわい現在は案内されていますから、ファンならまず先に読ませろといえます。2023/09/10

月式

2
1976年に出版された、ストレートにタイトル通りの社会に牙を向いたとある女の子の楽園追放なお話。セックス&ドラッグにまみれた退廃的だが妙にポップなユートピアの世界観が面白く、人間の感情がエネルギーに変換されて通貨として利用されるなんてユニークです。独特の世界観説明に費やされる前半を過ぎれば後半はグイグイ読ませる展開です!2015/05/04

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