出版社内容情報
他に類のない『現場担当者の視点』でまとめられた画期的手引書!
加工食品原材料組成、製造工程に基づき、より具体的および詳細に表示作成の実務を集大成
■ 主要構成
第1篇 適正表示作成のための必須知識
第1章 食品表示の実務ポイント
第2章 原材料表示
第3章 栄養に関する表示
第4章 有機食品表示
第5章 注意・警告表示
第6章 強調表示および禁止表示
第7章 容器包装に関する表示
第8章 消費者からみた食品表示の問題点
第2篇 表示作成の実務
第1部 望ましい表示の実例集
調理冷凍食品/缶・瓶詰、レトルト食品/乳・乳製品/食肉製品/水産練り製品および水産加工品/惣菜/めん類/ベーカリーおよび菓子類/飲料/フリーズドライスープ
第2部 食品表示の検証法の実際
第1章 品質表示における書類の点検方法
第2章 分析方法とその有効性
第3章 現場での検証
付属資料 表示関連法規 他
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【発刊にあたって】
表示を行う食品企業にとっては、毎年のように表示に係る法律が改定されたり、新規に策定されたりすることにより、非常に難しいものとなっています。特に、平成13年4月1日から適用された加工食品表示基準や容器リサイクル法に伴うマーク表示、平成14年4月1日から適用されたアレルギー表示などは、表示作成の正確な理解が必ずしも容易でないこと、また偽装表示が発端となり、違反した時の罰則が強化されたことにより、単純なミスで間違った表示が結果として企業名公表のような事態になりかねないことから、日々企業の実務担当者を悩ませています。
このような現状から、多くの表示に関する法律の解説本が既に刊行されていますが、食品企業の表示担当者がいざ表示を検討しようと作業に入った時生じる疑問に対し、「そうだったのか!」と的確に答えがわかる解説本はなかなかありません。もっと実務の流れに即した内容、実践的なガイドラインが切望されています。
本書はこのような実務担当者の要望に応えるため、担当者の視点から以下の方針に基づき企画編集致しました。
食品ごとに原材料組成と工程図を出発点として、表示のポイントと実際、その検証方法、誤りやすい表示例等を、出来る限り掘り下げ具体的に解説する。
自社で表示作業に着手する際,先ず何をどこから集めどのように表示にまとめていくか、作業のステップと社内組織の関わりを分かりやすくフロー図で示す。
「消費者が求める表示」 「消費者に分かりやすい表示」の視点から,産官学および消費者団体のエキスパートが協力し、望ましい表示の提示に努める。
本書は、第1篇がいわば表示のポイントを総合的に説明する横糸であり、第2篇が具体的な品目を説明する縦糸です。
第1篇は適正な表示を作成するための必須知識について解説しています。全般的な表示項目のポイントから説き起こし、一括表示に関連するアレルギー表示、食品添加物表示、遺伝子組換え表示などの解説、また栄養表示,保険会社の専門的立場での説明もなされている注意・警告表示、禁止事項の解説まで示した強調表示など、さらに流通,消費者の立場からの表示に対する要望、問題点の指摘までも含んだ内容となっています。表示を法律的な観点から説明することにとどまらず、 表示の役割を消費者の視点、流通の視点など多角的に説明することにより、表示方法を単に説明するマニュアルということだけではなく、表示にする意義にまで言及している点が従来のものとは大きく異なっています。
第2篇においては、具体的な加工食品を実例として作成の実務について解説しています。表示を作成するために、商品コンセプト、使用原材料、製造工程なども開示することで、どのような考え方で表示をするのかということを細かく説明しています。結果だけでなく作成にいたる流れを示していることから、誰でも作成の実務が習得できるように構成されています。あわせて、出来上がった表示案を検証する方法を解説しているのも特徴です。
本書は従来より一歩踏み込んだ現場実務担当者のための食品表示ノウハウ集であり、消費者とのリスクコミュニケーションのための有効ば手引書となることを確信しています。表示担当者の方々が本書を十分活用していただければ、「わが社の製品の表示は間違いないので、お客様に安心して買っていただける。」と胸を張っていただけるのではないかと思います。
編集委員を代表して 太田 裕見(本書巻頭言より抜粋)
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■ 内容目次
第1篇 適正表示作成のための必須知識
第1章 食品表示の実務ポイント
第1節 食品表示に関する法規<今村 知明>
概要
食品衛生法
2.1 制度の目的
2.2 義務表示
2.3 任意表示
JAS法
3.1 制度の目的
3.2 義務表示
3.3 任意表示
景表法関係
4.1 制度の目的
4.2 不当な表示の禁止
4.3 公正競争規約
4.4 今後の方向性
第2節 表示項目とそのポイント<丹 敬二>
表示項目
表示の方法
項目別記載方法の詳細
3.1 名称
3.2 原材料名
3.2.1 原材料全般
3.2.2 食品添加物
3.3 内容量
3.4 期限表示(賞味期限または品質保持期限と消費期限)
3.4.1 賞味期限
3.4.2 消費期限
3.4.3 期限表示の規定
3.5 製造年月日
3.6 保存方法
3.7 製造者等
3.8 原産国、原料原産地表示
第2章 原材料表示
第1節 アレルギー表示<太田 裕見>
アレルギー表示に至る経緯
アレルギー表示の法的位置付け
2.1 表示の考え方
2.2 他の法令との関係
2.3 食品衛生法における取扱い
2.3.1 監視事項
2.3.2 表示違反(表示されていない場合)発見時の措置
アレルギー表示を行うために必要な事柄
3.1 アレルギー表示の対象範囲
3.2 アレルギー表示の対象品目
3.3 原材料等の表示順位
アレルギー表示方法
4.1 アレルギー表示方法の原則
4.2 複合原材料について
4.3 禁止されている表示事例
4.4 代替表記、特定加工食品について
4.5 省略規程について
4.6 乳、乳製品等について
4.7 食品添加物について
微量に含まれる特定原材料等の取扱い
5.1 「微量」の考え方
5.2 酵素製品の特定原材料等
5.3 乳糖
5.4 キャリーオーバー、工程助剤
5.5 コンタミネーション
アレルギー物質を含む食品の原材料表示の作成
6.1 表示の作製
6.2 表示の検証
今後の課題
第2節 食品添加物表示<小見 邦雄>
食品添加物の定義と種類
1.1 食品添加物の定義
1.2 食品衛生法による添加物の分類
食品添加物の表示が必要な食品
食品に対する添加物の表示方法
3.1 表示の原則
3.2 用途名の併記が必要な添加物
3.3 物質名の代替表記方法
3.4 表示の免除
3.5 特定原材料等由来の添加物の表示方法
その他の留意事項
4.1 香料の表示
4.2 別添2および別添3に記載のない天然香料や一般飲食物の物質名
4.3 ばら売りでも表示が必要な添加物
4.4 表示場所
第3節 遺伝子組換え食品表示<川村 和彦>
義務表示の対象
表示の方法
分別生産流通管理
任意表示
表示禁止事項
遺伝子組換え食品の表示基準
遺伝子組換え食品についてのさらなる情報
第4節 原産地表示<川村 和彦>
加工食品の原料原産地表示(義務)
1.1 表示の対象
1.2 表示の方法
1.3 原料原産地の表示基準
1.3.1 農産物漬物品質表示基準の抜粋
1.3.2 乾燥わかめ品質表示基準の抜粋
1.3.3 塩蔵わかめ
1.3.4 塩干魚類(あじ、さば)品質表示基準の抜粋
1.3.5 塩蔵魚類(さば)
1.3.6 うなぎ加工品品質表示基準の抜粋
1.3.7 削りぶし品質表示基準の抜粋
1.3.8 野菜冷凍食品品質表示基準の抜粋
加工食品の原料の産地についての任意強調表示
2.1 表示の方法
2.2 加工食品品質表示基準の抜粋
加工食品の原料原産地表示等についてのさらなる情報
第3章 栄養に関する表示<井上 浩一>
栄養表示基準制度における表示
1.1 適用範囲
1.2 対象食品
1.3 対象となる表示媒体
1.4 適用される栄養成分
1.5 表示方法
1.6 強調表示
1.7 1日栄養素等摂取目安量
保健機能食品制度における表示
2.1 特定保健用食品の表示
2.2 栄養機能食品の表示
特別用途食品制度における表示(特定保健用食品を除く)
3.1 特別用途食品の表示範囲
3.2 必要な包装表示事項
第4章 有機食品表示<川村 和彦>
有機食品表示とJAS規格
有機農産物加工食品のJAS規格
有機表示のQ&A
有機食品表示についてのさらなる情報
第5章 注意・警告表示
第1節 製造物責任法からみた注意・警告表示の意義と対策<島田 矢寸志/山本 奈美>
食品と製造物責任法
1.1 製造物責任の定義と責任発生要件
1.2 製造物責任法の対象となる製造物
1.3 製造物責任法における責任の所在
1.4 製造物責任法上の欠陥の定義と有無の判断
1.5 企業のPL対策
製造物責任法を考慮した食品の適正表示
2.1 安全対策の優先度
2.2 食品の表示上の欠陥
2.3 製造物責任法における注意表示
参考資料1:食品の表示に関する事例
参考資料2:食品の表示に起因したリコールの社告
第2節 注意・警告表示の具体的実務<丹 敬二>
配置・目印
注意・警告表示の内容
2.1 従来から実施している事例
2.2 開封後に劣化が進むもの
2.3 保存温度、保存方法(未開封)
2.4 商品特性の表示
調理・使用方法の表示
3.1 配置・目印
3.2 調理・使用表示の内容
第6章 強調表示および禁止表示
第1節 強調表示および禁止表示の法規<村田 義文>
JAS法
食品衛生法
薬事法
景品表示法
健康増進法
第2節 流通におけるあいまい表示への対応<木谷 一成>
あいまい表示への対応が必要と判断した背景
食品衛生法、JAS法による遵守事項と自主基準の相違
「効能・効果」の規制と自主指導基準
表現内容の理解
店頭調査で発見された「あいまい表示」への対応
5.1 あいまい表示への基本的な考え方
5.2 ことばの意味
5.3 百貨店協会としての特徴(強調)表示基準
第7章 容器包装に関する表示<増尾 英明>
食品容器包装の衛生・安全性に関する表示
1.1 ポリオレフィン等衛生協議会のマーク
1.1.1 協議会の内容
1.1.2 自主基準の内容
1.1.3 自主基準適合認定マークの付与
1.2 塩ビ食品衛生協議会のマーク
1.2.1 協議会の内容
1.2.2 自主基準の内容
1.2.3 自主基準適合認定マークの付与
容器包装の分別収集に関する表示
2.1 容器包装の識別表示
2.1.1 法規制による識別表示(義務)
2.1.2 業界の自主基準による識別マーク(任意)
2.2 容器包装の材質表示
2.2.1 資源有効利用促進法により規定
2.2.2 JISに基づく略号の制定
2.2.3 表示方法の原則
2.2.4 具体的な表示例
2.3 米国SPIが定めた材質識別コード
グリーン購入
第8章 消費者からみた食品表示の問題点
第1節 消費者からみた食品表示の問題点<神田 敏子>
表示に対する消費者の不信感
食生活環境の変化に伴う表示の重要性
表示の現状と問題点
3.1 用語の不統一
3.2 加工食品の原料原産地表示
3.3 遺伝子組換え食品の表示
3.4 不当表示
表示のあるべき姿と今後の動向
4.1 正確かつ誤認されない表示を
4.2 表示をめぐる混乱の解消を
4.3 真に消費者が主体となる表示制度の確立を
第2節 相談事例からみた食品表示の問題点<八木 美智子>
パイオネットからみた食品表示に関わる相談
食品の表示に関する相談事例
2.1 「生活110番」に寄せられた相談
2.2 消費生活センターで受けた相談事例
食品関連法規について
第3節 消費者に分かりやすい表示デザイン<古田 晴子/久野 哲郎>
包装設計の指針
パッケージにおけるUD5原則
パッケージ裏面表示項目の分類
色の構造
文字の読みやすい配色について
イラストや写真についての注意
表示デザイン事例
7.1 ふりかけの裏面表示
7.2 調査結果
「はっきりオープン」
ピクトマーク
第2篇 表示作成の実務
■表示作成のフローシートと実務ガイダンス
何をどこから集めどのように表示にまとめていくのか作業のステップと社内組織の関わりを分かりやすくフロー図で示しました
第1部 望ましい表示の実例集
第1章 調理冷凍食品<新宮 和裕>
調理冷凍食品に関わる法規等
1.1 食品衛生法における冷凍食品の定義
1.2 JAS法および品質表示基準
表示事項とその方法
2.1 一括表示枠内に表示する事項
(1)名称
(2)原材料名
(3)皮、衣の比率
(4)内容量
(5)賞味期限
(6)保存方法
(7)原産国名
(8)製造者、販売者、輸入者
2.2 一括表示の事例
(1)しゅうまい
(2)ハンバーグ
(3)コロッケ
(4)グラタン
(5)肉まんじゅう
一括表示枠外に表示する事項
3.1 表示事項とその方法
3.2 警告・注意表示
3.3 冷凍めん類の特例的表示
3.4 栄養成分の表示
3.5 容器包装リサイクル法に関する表示
第2章 レトルト食品<森 光国>
缶・びん詰、レトルト食品の表示に関わる法規等(主として一括表示)
1.1 JAS法
1.2 食品衛生法
1.3 景表法
1.4 計量法
賞味期限の表示
一括表示枠外の表示
缶・びん詰、レトルト食品における表示例
第3章 乳・乳製品<石田 洋一>
■牛乳類
食品の説明
原材料
製造工程
内容量
品質保持期限、消費期限
保存方法および開封後の取扱い
その他の一括表示事項
活字の大きさ
「牛乳」の文言の使用
その他の表示事項
牛乳類の不当表示の禁止
リサイクル表示
牛乳類の公正マークの表示
総合衛生管理製造過程の承認を受けた製品に関わる表示
■はっ酵乳、乳酸菌飲料
食品の説明
原材料
製造工程
内容量
品質保持期限、消費期限
保存の方法
その他の一括表示事項
特定事項の表示基準
その他の表示事項
活字の大きさ
不当表示の禁止
リサイクル表示および総合衛生管理製造過程の承認を受けた製品に関わる表示
一括表示例
■チーズ
食品の説明
チーズとチーズフードの規格
製造工程
内容量
品質保持期限、消費期限
保存の方法
その他の一括表示事項
一括表示以外の表示
一括表示例
第4章 食肉製品<西坂 嘉代子>
■ロースハム(スライス)
名称
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程
表示の例
■チルドハンバーグステーキ
名称
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程
表示の例
第5章 水産練り製品および水産加工品<佐々木 勇人>
■魚肉練り製品(焼抜きかまぼこ類)
名称
製品の説明
原材料
製造工程
表示の例
適用法規
■水産加工品(うなぎ加工品)
名称
製品の説明
原材料
製造工程
表示の例
適用法規
第6章 惣菜<岡 吾郎>
商品開発(企画開発部門)
原材料の調達(購買部門)
商品の決定(生産部門)
表示の作成(品質管理室)
その他
第7章 めん類<法西 皓一郎>
■即席めん類(袋入りめん)
名称
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程(スープ別添油揚げめん)
表示の例
■即席めん類(スナックめん)
名称
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程(スープ別添油揚げめん)
表示の例
第8章 飲料<細野 秀和>
■コーヒー飲料
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程
表示の例
■炭酸飲料
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程
表示の例
第9章 ベーカリーおよび菓子類<石黒 厚ほか>
■洋菓子
名称
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程
表示の例
■菓子パン
名称
製品の説明
原材料
製造工程
表示の例
適用法規
■焼菓子
名称
製品の説明
原材料
製造工程
表示の例
適用法規
第10章 フリーズドライスープ<村田 義文>
名称
製品の説明
表示に関する適用法規
原材料
製造工程
表示の例
第2部 食品表示の検証法の実際
第1章 品質表示における書類の点検方法<吉田 淳/石黒 厚>
製品の配合表
原材料の規格書
フローダイヤグラム
容器包装識別表示の検討
法上名称の決定
栄養成分表示
計量法による審査
期限表示の設定
原産国の証明書
製造者および製造所所在地
保存方法
遺伝子非組換え食品としての製品
事故品取替えの趣旨・使用上の注意
禁止表示
活字・マーク・バーコード
デザイン
商品名の決定
地方条例に関する書類
第2章 分析方法とその有効性<丹 敬二>
一括表示項目と科学的検査
法的に検査法が設定されている項目
第3章 現場での検証<村田 義文>
原材料の表示
食品添加物表示の確認
特定原材料等表示の確認
JAS法における表示の確認
その他の表示の検証
トレーサビリティ
製造現場における表示の検証
■付属資料 表示関連法規等