内容説明
玉砕と集団自決の島、サイパン―テニアン。その戦争の記憶を呼び覚す戦跡。
目次
1 玉砕と自決の島・サイパン―楽園の島はなぜ戦場になったのか(常夏の島・サイパン―サンゴ礁に囲まれた七色の海;米軍上陸地点その1 日米の激戦地―チャランカノア・ビーチ1;米軍上陸地点その2 日本軍の戦車隊が全滅したオレアイ―ランディング・ビーチ2;アジア太平洋戦争その概観―開戦1年後に敗勢に追いつめられた日本軍;サイパン戦―その日米軍事力 ほか)2 この世の楽園と謳われたテニアン―原爆基地ともう一つの玉砕・自決の島(サイパン戦直後に上陸した米軍―テニアン空港玄関口の戦跡1;星の砂のある美しい砂浜は米軍上陸地点に―チュル・ビーチのトーチカ2;サイパン戦からテニアン戦へ―圧倒的な戦力を誇った米軍;米軍の空襲と砲爆撃の激しさを物語る―第1飛行場跡に残る日本海軍司令部跡3;ハゴイ飛行場は囚人労働で造られた―東洋一の飛行場と言われた第1飛行場跡4 ほか)
著者等紹介
小西誠[コニシマコト]
1949年宮崎県生まれ。航空自衛隊生徒隊第10期生、軍事ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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植田 和昭
12
2回目の再読でしたが、彩雲と月光の写真の取違いを発見したので出版社に手紙を書きました。サイパンは、戦没者の慰霊にぜひ行ってみたいのですが、グアムに比べてアクセスが悪く、行くのは困難なようです。一応500円玉貯金をしています。テニアン島にも行ってみたいのですが、連絡船が廃止されてさらに行くのが困難なようです。ダイビングもしてみたいけど、戦没者の事を知るとできないです。2023/10/01
CTC
10
11年2月社会批評社刊。著者は空自生徒隊出身、「適切なガイドブックがない」と執筆の動機を記している。本書はサイパン・テニアンそれぞれの戦跡を、上陸→玉砕に至る戦闘経過に応じた順で掲載。地図こそつかないが、豊富なモノクロの写真と、戦跡が意味するところを記す詳細テキストで戦跡の現状が判る。例えば独歩316大隊の慰霊碑は「日本と逆方向を向いて建てられている。それが何を意味するか考えずにはいられない」。実は当“サイパン版”は“グアム版”に較べ道順等の記載は少ないのだが、かような洞察を含め非常に“使える”一冊だ。2017/03/26
桜子
5
祖父がサイパン島で戦死しています、祖父が所属した部隊の慰霊碑の場所も掲載されていました。次回、サイパンへ行く際にはこちらの本を参考にしながら当時は「名もなき島」と呼ばれていたテニアン島にも慰霊したいです。
植田 和昭
5
丁寧に戦跡の案内をしてくれていました。民間人を巻き込んだ地上戦の悲惨さがひしひしと伝わってきました。この本を読んでサイパンには、ぜひ慰霊に訪れたいとおもいました。ただ、まとまった休みが取れるのは盆と正月だけなので、旅行費用が30万を超えます。この点をなんとかしないと行くのは難しいでしょう。2017/02/05