内容説明
院政期の宗教は、歴史上も数学上も過渡期のものとされがちである。しかし、密教の秘説化や神仏習合の体系化などはこの時代に深化している。こうした宗教的特質と関連した美術・建築等の創造営為を検討して、その表象行為や機能を明らかにする。
目次
1 院政期法会論―院御願寺修正会をめぐって
2 天台本覚論―証真説に着目して
3 院政期の浄土教
4 中世寺院のネットワーク
5 院政期と表象―モノ・コト・主体・行為
6 秘儀と建築空間―壇所の基礎的考察
7 書と書物―仮名、歌を表わす文字
8 都の情景に浄土を見る―「片輪車蒔絵螺鈿手箱」考