内容説明
“異貌の知性”への眼差し。中世の多様なテキスト群が形づくる“豊饒なる混沌”の様相。そこに遍在する「偽書」の言説に分け入って魅惑的な“中世知”の世界を探究する。
目次
第1章 御記文という名の未来記
第2章 未来騙りのテキスト―『愚管抄』のウソとマコト
第3章 楽書と偽書―『体源鈔』所引『至要抄』をめぐって
第4章 署名する定家、装われるテキスト―仮託書論の一視角
第5章 菅江真澄におけるモノガタリ―「旅日記」から「地誌」へ真澄は変化したか
第6章 中世神学のメチエ―『天地霊覚秘書』を読む
第7章 三宝院流の偽書―特に『石室』を巡って
第8章 『蓮華三昧経』の基礎的考察
資料篇1 九州大学図書館蔵『新選帝説集』―解題と翻刻
資料篇2 松平文庫蔵『本朝事始』―解題と翻刻
資料篇3 天理大学附属天理図書館蔵・清水光房『和歌無底抄考』―解題と翻刻
著者等紹介
錦仁[ニシキヒトシ]
1947年生。新潟大学人文学部教授。中古・中世文学、伝承文学
小川豊生[オガワトヨオ]
1953年生。摂南大学国際言語文化学部助教授。中世文学(和歌・説話・宗教芸文)
伊藤聡[イトウサトシ]
1961年生。茨城大学人文学部助教授。日本思想史
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