内容説明
天平の恋と遊行。古代の政治的・宗教的言説や、舞や音楽などをもふくむ多様な同時代の表現のなかで、『万葉集』はどのように読むことが可能か。古代の歌の生成を、さまざまな表現の重層的広がりのなかでとらえかえす。
目次
1 遊行と歌垣(出逢いという「事件」―言語発声以前;遊行と歌垣;恋の宮廷―遊行女婦の成立 ほか)
2 天平宮廷のバロック(天平宮廷と風流;天皇の行幸・歌の行幸―宮廷歌人論のために;光の中の仏教儀礼―皇后維摩講の時空へ ほか)
3 歌という言語フィールド(歌の「こころ」―浜成の『歌式』と「無心所著歌」;大伴家持の異文化―越中の歌日記から;日付のある耳―家持の歌曼荼羅 ほか)
著者等紹介
猪股ときわ[イノマタトキワ]
1960年生まれ。名古屋市在住。古代和歌史専攻。東京学芸大学大学院修了、東洋大学大学院博士課程満期退学。現在、椙山女学園大学短期大学部、岐阜聖徳学園短期大学部非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。