出版社内容情報
最近話題のシックハウス・シックスクール症候群。関係省庁や業界が室内汚染指針値策定や法規制に乗り出すようになった背景には、未知の現代病に突然見舞われた患者たち・医療関係者らのの、社会的認知を求める苦闘があった。
国立保健医療科学院の調査では、化学物質過敏症の成人推定患者は70万人という。臨床的には明らかに疾患として認められながら、保険治療がうけられず不安を募らせる患者たち。彼らの体験は、家族と自分の健康を守るヒントにあふれている。
発刊によせて 北里研究所病院臨床環境医学センター長 石川 哲
第1章 化学物質過敏症を知っていますか
第2章 社会復帰するために──患者が考えた回復法・生活の工夫
◇資料・北里研究所病院アレルギー科(化学物質過敏症外来) 受診案内
第3章 子どもたちの未来が危ない
新築保育園はシックハウスだった/西八王子水銀公害/息子が過敏症になって/
薬のみに頼らず生活を見直そう/アレルゲン除去からたくさんのことを学んだ
/こんなものに気をつけて 生活の中の化学物質
◇化学物質による健康被害 ────── 青山内科アレルギー科院長 青山美子
第4章 行政との交渉を続けて
第5章 講演録・寄稿 全国化学物質過敏症患者会より
化学物質過敏症の現状 北里研究所病院臨床環境医学センター副センター長 坂部 貢
疑わしきは対処する──未知の危機を防ぐために
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 柳沢幸雄
医師としてみた杉並病
廃棄物系化学物質による健康被害者を支援する科学者グループ代表 大谷育夫
化学物質を使用しない歯科自然療法 秋田県協和町歯科診
推薦の言葉
北里大学研究所病院 化学物質過敏症外来 宮田幹夫医師
「今日一部の敏感な人たちが化学物質過敏症になって悩んでいますが、明日私たちが同じ病気にならない保証はありません。この本は、医学より先を走ってしまった人たちの苦悩と、その救援の記録です。自分と家族の健康のために、一読をお勧めします。」
頭痛、慢性疲労、手足のしびれなど、原因不明の体調不良が続く化学物質過敏症。神経症、更年期障害などと間違われ、医者をたらい回しにされながら、患者たちは社会への不信感や不満を募らせてきました。かれらが噴き出す想いを押さえつつ綴った体験記集です。アトピーやシックハウス症候群とともに、ようやく認知されつつあるこの現代病を抱えて生きる人々の思いからは、人工化学物質にあふれる私たちの生活へのいくつもの警告を読みとることができます。
水俣病をはじめとする公害の体験から確立しつつある「疑わしきは対処するする」──臨床環境医学の考え方から過敏症治療の先端を切り拓いてきた第1人者たちの講演録も、示唆にあふれています。
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