出版社内容情報
『神奈川新聞』評
嫌煙という言葉が生まれて20年。しかしまだまだ非喫煙者には生きづらい日本社会で、分煙・禁煙運動を進める女性の辛口エッセー「毎日がモク曜日・私の反タバコ日記」が出版された。
著者の山本由美子さんは、反たばこ市民グループ「たばこれす」所属。禁煙スペースで一服する不心得者に注意し、分煙を実施しない店には文句をいい、ゲリラ的に禁煙ステッカーをはっていく。露骨に無視されたり嫌がらせを受けたりもするが、黙っていては変わらない。非喫煙者の苦しみを知らない喫煙者が残念ながらまだまだいる」との思いが、その行動を支えている。
映画やマンガに小道具として登場するたばこの扱いに対する無頓着・無神経・無理解の三無主義を嘆き、灰皿を置いたまま「自然食」「健康にいい」とうたうレストランに疑問を呈し、「たばこを吸う人がいるから」という言い訳には「吸わない人もいるんだ」。ひとりでもたばこの煙に弱い者がいたら、たとえスモーカーが100人いても配慮するのが人間的な解決策と憤る。
68章に分かれた軽快な文章で気軽に読める、「たばこの害を知らない、言わない」という悪循環を断ち切ろうという奮闘記だ。
はじめに
毎日がモク曜日
この店禁煙ですか
喫煙シーンが多すぎる
「禁煙神社」と「喫煙病院」
禁煙という言葉が生まれて20年。この言葉の誕生と合わせるように、日本全国に反タバコの市民グループが次々に結成された。そして着実に、タバコ天国日本に風穴を開けてきた。それは今も力強く継続中だ。 反タバコ運動は勿論個人でも強力に推進することができる。
日々の暮らしの中で、必ず目にするタバコ、灰皿。そのシーン、状況に疑問をもったら、即関係者にもの申す。これで日本が変わる。いや、ホント。それは自信をもって断言する。
私は長年、反タバコ市民グループ「たばこれす」に所属しているが、ときには堅苦しい文書での要望書よりも、個人でさっさと手紙を送って注意を喚起する方が解決が早いこともある。
昔は無視されることもあって不快な思いもしたが、今は違う。大抵いい返事、正しい回答がもらえるようになってきた。時代は変わったと実感する。手応えがあるのだ。
黙っていては何も変わらない。タバコに困っている人は、黙って耐えるのは止めて、言いましょう。「タバコはノン!」と。ノンスモーカーの苦しみを知らないスモーカーが、残念ながらまだまだいるのです。