内容説明
本論は、20世紀最大の写真家を解析しようとするものである。ややもすれば「決定的瞬間」の伝説に封じ込められがちなカルティエ=ブレッソンを、思潮、固有の特性、技巧とその効果といった多面的な要素をそれぞれ検証し、丹念かつ積極的な論証を試みている。第6回重森弘淹写真評論賞受賞。
目次
序章 逃げ去るイメージ
第1章 構図と主題(画面の幾何学;シュルレアリスムと物語と偶然性;物語とヒューマニズム)
第2章 光と時間(アンリ・カルティエ=ブレッソンの灰色;ぼけとぶれの表象;粒子と表面)
第3章 皮膚とイマージュ(線とデッサン;写真の表皮)
著者等紹介
楠本亜紀[クスモトアキ]
1972年生まれ。1994年東京大学文学部卒業。1994-95年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ在学。1998年~東京大学総合文化研究科博士課程在籍。現在川崎市岡本太郎美術館学芸員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。