感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruki
2
波としての光をミラーや回折格子を使って分割し、振幅と位相を気にしながらうまいこと重ねることで干渉効果をもたらして、対象とする光学部品(レンズ、ミラーなど)の形状を高精度に計測する手法を平易な文章と図解で説明する。露光装置の投影レンズなど高精度な製品の検査用干渉計といった実用機器を作ってきた肌感覚も存分に盛り込まれ、光の挙動がイメージしやすい。回折格子の使いこなし、時間、空間コヒーレンスによる重層的な波の関係性なども丁寧に示され、光干渉に対する優しい眼差しすら感じられる筆致に、経験の厚みを感じ入る。2023/05/23