感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
60
【にゃんこまつり2022】ロシア革命から3年後の1920年、ネコのヤンは戦火を避けてコンスタンチノープルへ亡命していた。様々な国の人や動物であふれるこの街で職を探すヤン。占いをするウサギの手伝いをすることになるが…。足るを知る動物たちに引きかえ、人間の欲深さは滑稽で哀しい。100年後の今、ロシアはまた…。2022/02/21
ゆーかり
17
1920年、イスタンブール。ロシアから亡命してきたネコのヤン。出会うのは占いウサギ 、船を数えるのが好きなロバ、魚嫌いなカモメ。モスク、人びと、ガラタ塔、シミット(胡麻のついた輪型パン)、アザーンが響き渡る街。ミャスコフスキーの交響曲第19番第2楽章。ニーチェ。植込みの影からのぞく両耳の先っちょと「イェ二の占いウサギだよ〜」という声。独特で不思議な雰囲気。2017/09/25
陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙とロケットが好き
13
ポーランド製のヘーゼルナッツチョコと珈琲を供に読了。巻頭のクリミアと黒海の地図が示唆するこのタイミング。未訪の憧れの地イスタンブール。亡命したロシアン猫。哲学的で達観した占いウサギの啓示。オスマン帝国の歴史に触れ、ニーチェの永劫回帰へと続く流れには淡々としながらも感嘆が。作中のトルコ料理ロシア料理に涎滴る。ロバが一筋の光となる流れは好き。そのうち旅行へ訪れる際にはこの物語を思い出そう。スパイス香るバザール、オリエンタルな街並みを想像出来る文章に浸る心地良さ。良書。2014/05/17
belle
9
ロシアの草原の風が似合うネコのヤン。そんなヤンがイスタンブールにやってきた。亡命。革命の嵐は人間にも動物にも吹き付ける。ヤンのシリーズ独特の空気感はロシアの地を離れても変わらないが、口数は多くなった。様々な出会いがあったから。海を見つめるヤン。橋を渡るヤン。直立の姿で毅然と生きる。みんな寂しいけれど。2018/11/13
ワッピー
9
ヤンのシリーズの中でも一番のお気に入り。イスタンブールという魔法の場も素晴らしいし、作者がこの作品のテーマ曲だという「ミャスコフスキーの交響曲19番第2楽章」もオススメ。作者は違うけど、「村田エフェンディ滞土録」の雰囲気と共通する懐かしさを感じました。