内容説明
生命体としてのヒトの誕生は、母親から受け継いだ卵子と父親から受け継いだ精子の中にある遺伝情報を担った旅立ちであるが、誕生した赤ん坊は、親の養育によって成長しながら、周囲の環境からの影響を受けて発達する。一人歩きができるように成長した子どもは、性の成熟を経て、一個の人格をもった人間となって、青年期から成人期を経て老人期に至るまで成長と発達を繰り返す。これが、人間のライフスパンである。人間のライフスパンには、ヒトとしての遺伝的情報がきちんと記録されたプログラムによって進行するプロセスと幾世代間を通して受け継がれてきた文化的情報を新しく作り出しながら進行するプロセスが並行しているのである。これが、著者の人間心理学に関する基本的な見方、考え方である。本書を通して、このような視点で、もう一度人間とは何かという問題について学ぶ。
目次
1章 心と体のサイコロジー
2章 個性のサイコロジー
3章 知的行動のサイコロジー
4章 攻撃と協力のサイコロジー
5章 利己性と利他性のサイコロジー
6章 測定と評価のサイコロジー