内容説明
豊臣秀吉の天下統一の施策に激しく反抗して大規模な決起で挑んだ肥後の武士・農民たちの戦いを詳しい史料と伝承によってまとめた。全国的にも近世的支配体制そのものに対する最後の大規模な一揆的騒乱として画期的事件であり、この結果、初代国主・佐々成政は切腹に追い込まれた。巻末の資料編には史料・年表など付している。
目次
1 戦乱の起こり
2 国衆の不満と成政の対応
3 国衆の戦い
4 和仁城の落城、城村城の開城停戦
5 秀吉の上使衆派遣
6 反乱国衆の最後
7 佐々成政の自刃
8 補説 刀狩り令・身分統制令
9 肥後国分割統治と天草国衆の戦い
10 秀吉政権への反抗の終結
資料編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カール
7
肥後国衆一揆はその知名度に反して、創作の題材や史書は少なく、その実態が掴めない一揆の一つである。この書籍においては肥後国衆一揆と、後ほど起こった天正天草合戦までを解説する。この本を読むまでは隈部氏や甲斐氏が中心となった組織的な反乱と勘違いをしていたのだけど、この本を読むに九州征伐の折に秀吉の雑な領地安堵によって、その後に着任する国主佐々成政と国衆の対立が生まれ、「検地」がトリガーとなって「佐々氏の下」という扱いに不満を持った各地の国衆がなし崩し的に武装蜂起。肥後が燃えるという、秀吉の雑さな占領政策が原因。2021/10/02
keint
4
肥後国衆一揆および天正天草合戦の始まりから終わりまでを解説している。 本文は史料部分を付録としており、佐々成政のことについても出生から肥後入国までを説明しているため、全体的にわかりやすい構造であった。2019/09/06