内容説明
ノーベル文学賞に輝くチェコの国民的詩人。詩人の全作品を通じて流れるのは『この世の美しきものすべて』、特に女性の美しさと自由に対するあこがれ、愛と死の織りなす人世模様や不条理を、日常的な言葉で表現しようとする努力である。
目次
詩人であること(プロローグ;詩人であること ほか)
愛の歌(愛の歌;かたらい ほか)
夢見る頃に(かあさんの歌;かあさんの鏡 ほか)
町と人(パリ小吟;ポール・ヴェルレーヌ ほか)
マリファナの煙(マリファナの煙;ナイチンゲールの歌声 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
9
第一次世界大戦、ナチズム、第二次世界大戦、そしてスターリニズム、革命……激動の東欧をあくまで「ペン」を手に取る人間として生き抜いた詩人の膨大な詩を選出したアンソロジー。例えばヴィスワヴァ・シンボルスカにも似た、平たくこちらに語り掛けて来る真摯な姿勢を感じたのは私だけだろうか。専ら私に「詩」を鑑賞するだけの教養も感受性もないこともあって何処までこの詩集の意義を汲み取れたか自信はないが、今の日本で実際にペンが銃弾の前に倒れないという保証がないことを考えると本書の重みも分かって来る。なかなか侮れない詩人だと思う2017/05/11
きゅー
1
1984年ノーベル文学賞を受賞した詩人による、優しい言葉遣いで書かれた詩集。比較的わかりやすいテーマの作品を選んで訳したとのことなので、全体像はあまり見えないのだけれど、孤独な者や幼な子への暖かい眼差しを充分に感じた。ただし、彼の詩を読んでも、胸に突き刺さるような狂おしさ、何度でも反芻してしまう一言、一文に出会うことがなかった。甘すぎる優しさを感じてしまい、今ひとつ物足りなかった。2011/11/02
葛
0
飯島周訳 成文社 2002年12月25日第1刷発行2017/09/05
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