内容説明
ソヴェート政権七十余年にわたる政治権力の砦、その中庭で遊んでいた子どもたち。かれらは「子どもたちこそ輝く未来!」という党のスローガンとは裏腹に、その権力闘争に巻き込まれ、翻弄されていく。かれらが遺した「未来」への手記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
5
文字通りの「クレムリンの子どもたち」、すなわちソ連の指導者の息子や娘たちを取り上げたノンフィクション。ジェルジンスキー、スターリン、ガマルニク、ブジョンヌイ、ベリヤ、フルシチョフ、ブレジネフ等々、綺羅星の如き大物の子供たちがたどった悲喜劇に彩られた人生(全体としては「悲劇」の方が圧倒的に優勢なのだが)。編者ワレンチーナ・クラスコーワは、訳者の注記によればベラルーシの若手作家グループの共同筆名であるらしい。文体はアレクシエーヴィチのそれによく似ており、あるいは…と思う。2023/10/14