内容説明
謎の失跡の後、姿を現したの盲目のラバン・シュリュズボリイ博士を中心として、5人の青年達が遭遇する怖るべきクトゥルーとの闘争。アーカムからインスマス、南米、さらに伝説上の〈円柱都市アイレム〉へとクトゥルー追跡の舞台は移り、ついに博士たちは南太平洋上でクトゥルーと対決するのだが―。クトゥルーの復活を阻止すべくシュリュズリイ博士が活動する連作短篇集。資料として「神々の系譜」を収録。
目次
アンドルー・フェランの手記
エイベル・キーンの書置
クレイボーン・ボイドの遺書
ネイルランド・コラムの記録
ホーヴァス・プレインの物語
1 ~ 1件/全1件
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
80
ダーレスの5編の連作『永劫の探究』を収録。編を重ねる毎にシュリュズベリイ博士の元に集って行く5人。徐々に明らかになる旧神と旧支配者の関係、そして博士の目的。ラヴクラフトを踏襲しながら、対決物として明確な流れを確立した感がある本作、確かに面白く、論評されている様に後のクトゥルー神話の広がりに多大な影響を与えた事にも頷ける。しかしながら、明確にしたばかりにラヴクラフトの何物とも解らない者に対する不気味な恐怖という点では、少なからず薄れてしまった気がする。面白いだけに少々複雑な気持ちです。2018/04/04
アナーキー靴下
58
2巻はダーレスの「永劫の探究」、これはラヴクラフト作品をハリウッド映画化したものをノベライズしたのか、ってくらいテイストが違う。ホラー味が大分薄まったダークファンタジー。雑誌のムーとか好きな人はミッシングリンクを埋めてくるこの作品は楽しめると思う。私は本誌は買ったことないけどクトゥルーにはまったきっかけがムー特別編集『クトゥルー神話大全』だったし…。ここではないどこかへの憧れや連れ去られ願望も多分この話をより魅力的に見せてくれる。バイアクヘーいいよね、蜂蜜酒買ってこようかな。「いあ! いあ! はすたあ!」2023/04/08
シン
26
B評価。 1冊丸々シュルズベリィ博士に関わる5人の連作短編。 面白かった。 これまで通り手記が見つかってというお決まりのパターン。 展開もほぼほぼ同じ。 それでもなかなかに面白いから不思議。 やっぱり好きなのだろう。 こういうの。 だが次巻は別の展開のをそろそろ読みたいところ。 ラストの1話だけ設定に少し変化が。 それがどう物語に影響を与えるかと思ったが… と、クライマックスの展開はちょっと唐突な感じがしないでもない。 アリかナシかとなるとアリ派だが。 2017/09/15
ヴェルナーの日記
20
クトゥルー神話は、ラグクラフトよりもダーレスによるところが大きい。旧神と旧支配者との対立構造や旧支配者たちの4大精霊に大別しことは、彼の功罪といえる。神話を系統化したことで、判りやすくなったが、逆に型にはめ込みすぎてしまいスケールが小さくなった感が否めない。ラグクラフト作品に漂う未知なる恐怖、人外の異形の怪物、人間の想像をはるかに超えたスケール大きさが薄れてしまった。例えば眠れる痴呆(脳みそがない。脳みそは旧神によってアブゾートへ分離されてしまった)のヨグ=ソトスが目を覚ますと宇宙自体が消滅してしまう等。2014/09/26
miroku
18
クトゥルーものの場合、神話体系そのものが一番面白いのだよね・・・。2010/10/17