内容説明
縄文土器がつなぐある兄弟の物語。「もうじき、とびきりの器が焼きあがるぞ。こんなすごいのが作れるのはトトだけさ」アオネはカイに言って聞かせる。「見てみろよ。炎ってまじない師の手みたいだろ。ああやってまじないをかけられて、土が器に変わるんだ。炎が土を生まれ変わらせるのさ」「すごいね。なんか、怖いみたいだね」カイは首をすくめて、アオネの手を痛いくらい強く握ってきた。カイの額にかかるくせ毛と、黒く長いまつげを見ていると、アオネは弟を産んだあとすぐに死んだ母親のカカを思い出す。
著者等紹介
関口みどり[セキグチミドリ]
東京都生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。2007年から青木笙子先生のエッセイ教室を経て、2009年から日野多香子先生に師事し、児童文学の創作を学ぶ
谷苑子[タニソノコ]
1984年東京生まれ。自由の森学園卒業。テーマパークのアートメンテナンス、美術専門学校教職員などを経て現在フリーランス。イラストレーション制作、作品の展示発表のほか、HIfiveGallery(埼玉県飯能市)にて展示企画やワークショップを運営。一般社団法人ArtistOrientedTokyo理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。