内容説明
世の中は箱に入れたり傀儡師―ミステリーへと誘っていた傀儡師は、何故自ら傀儡へと化してしまったのか?芥川文学中期から晩年にかけての変貌を追う。
目次
1 芥川文学におけるミステリー(大正期における芥川の心理学受容―「忠義」と「奇怪な再会」にみる狂気表象―;「地獄変」論―“地獄よりも地獄的な世界”の現出―;「妖婆」論―探偵小説の視点から―;催眠術と芥川文学―「南京の基督」における奇跡譚の可能性―;「奇怪な再会」論―境界をめぐる物語―)
2 自意識から無意識へ(「偸盗」論―自意識と無意識―;「秋」論―作風変化の一側面―;神経描写のレトリック―「お富の貞操」試論―;傀儡化する「僕」―「蜃気楼」を中心に―;「冬」論―芥川晩年の修辞的技巧―)
補遺 変容する父権
著者等紹介
早澤正人[ハヤサワマサト]
明治大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在は国立仁川大学校(韓国)日語教育科副教授。専門は日本近代文学。2023年度仁川大学学術研究賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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