内容説明
20世紀ドイツ文学の記念碑的小説復刊!古代ローマの大詩人ウェルギリウスの死の直前18時間を描いたヘルマン・ブロッホの畢生の作。詩人ウェルギリウスは自らの決断を友人たちに伝え、やがてそれを知った皇帝アウグストゥスが現れる。詩人と皇帝は芸術、詩、生と死について激しく語り合っていく。そしてついに肉体の死を迎える。オーストリア出身でユダヤ系の著者がナチスに拘禁された際の個人的な死の覚悟から、抒情的作品にまで発展させた大作。1977年発行集英社版『世界の文学』に収録の同書名の復刊。
著者等紹介
ブロッホ,ヘルマン[ブロッホ,ヘルマン] [Broch,Hermann]
1886年ウィーンでユダヤ系の裕福な紡績業者の長男として生まれ、実業家としての道を歩むも一転、1927年に工場を売却し、その後ウィーン大学で聴講生として数学、哲学、心理学を学ぶ。1931年から1933年に長編小説『夢遊の人々』を発表。1938年にナチスに逮捕拘禁されるも、拘束中に『ウェルギリウスの死』の執筆を続ける。ジェイムズ・ジョイスなど外国作家たちの尽力で解放後イギリスを経て、アメリカへ渡る。1945年に『ウェルギリウスの死』、1950年に『罪なき人々』を発表。プリンストン大学で群衆心理学を研究し、論文を発表。ノーベル文学賞候補となるも、1951年死去。『誘惑者』は生前には発表されず、遺稿を整理する形で1953年に全集に収められる
川村二郎[カワムラジロウ]
1928年生まれ、ドイツ文学者。東京大学文学部独文科を卒業、名古屋大学などを経て、東京都立大学教授に。大阪芸術大学などで教鞭を執る。ムージルやブロッホなどドイツ文学の翻訳を数多く発表する一方で、1984年に『内田百〓論』(1983年)で読売文学賞を受賞するなど、文芸評論家としても活動。1996年紫綬褒章受章。日本芸術院元会員。2008年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ケイトKATE
rinakko