内容説明
元兵士たちの戦後を共に歩く。老人たちの一筋縄でいかない人間関係、押し寄せる保守系の若者たちとの葛藤…。“戦友たち”の最晩年を、戦友会「お世話係」となった研究者がリポート。
目次
まえがき 戦友会狂騒曲の世界へようこそ
第1章 変調をきたす「戦友会」
第2章 若者たちの「来襲」
第3章 老兵、戦争のホンネを語る
第4章 「武勇伝」の裏側
第5章 戦友なきあとに
終章 不戦こそ慰霊
著者等紹介
遠藤美幸[エンドウミユキ]
1963年、秋田生まれ。イギリス近現代史、ビルマ戦史研究者。神田外語大学・埼玉大学兼任講師。不戦兵士を語り継ぐ会共同代表。日吉台地下壕保存の会運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
45
ビルマ戦の研究者が、戦友会のお世話係に…という不思議な体験を語ったワンアンドオンリーな一冊です。「従軍慰安婦はいなかった」という文書に署名しつつ「慰安婦は必要悪、中隊のために私が作った」と言う男性のエピソード(著者はもっと驚いただろう。問うても苦笑いされたとのこと)や、「あなたたちは慰安婦に悪いことはしていません、ご自分たちを卑下しないでください」という右翼若者に当事者が「戦争を美化しちゃいかんぞ」という話には不思議な気持ちになりました。人間とは悪いことをしながら良いこともする。ほんと、不思議。2024/12/20
kawa
36
ビルマ、ガダルカナル、雲南の激戦を経験した東北第二師団の生き残りの方々が、戦後設立、長く続いた戦友会のお世話係りを拝命することとなった妙齢の歴史研究者の会務リポート。ニッチで今どき?のイメージなのだが、若手右翼や兵士家族を巻き込んでの内容はどうしてどうして。戦争体験の承継、靖国、自虐史観などの問題を考える上で好著。読み手としての理解、立場は未だ曖昧模糊だが、元兵士の皆さんの「戦場を知らないやつほど勇ましい」「戦争をやったらおしまい」「戦争をやったわしらが言うのだから間違いない」はまちがいなく金言。2024/10/09
バッシー
3
実際に戦地で戦ったおじいさん達と、理想の歴史を妄信する若い世代とのギャップが興味深い。2024/11/12
onepei
1
ちょっとズレるが護国神社にも同様の流れがあるのではないか2024/11/16
本好き
1
靖国神社はいらない、保守派は歴史を知らない馬鹿の集団2024/09/12
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- 和書
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