内容説明
はたして、夫婦は無事なのか?「万事よろしく」と書かれた手紙、妻が町内会のフリーペーパーに綴った自伝、夫が残した未発表原稿の数々から、売れっ子作家・匙小路ルイが友人・谷川夫婦の消息を追い、ついでに、夫婦のことを新作の題材にできないかと思案する。「私は本当に、谷川くんたちのことを書いても、いいのかな」そんなルイに異変が起こった。見えるはずのないもの―自分でボツにしたキャラクター―が見えるようになったのだ…。ルイの“怪奇現象”は解決するのだろうか?
著者等紹介
寺地はるな[テラチハルナ]
1977年佐賀県生まれ。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。21年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞、24年『ほたるいしマジカルランド』で大阪ほんま本大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
184
6月の第一作は、寺地 はるなの最新作です。寺地 はるなは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 噂話的な作家IN作家小説、面白くなくはないですか、微妙な作品でした。 https://publishing.unext.co.jp/book/title/3xwUGJ8vasVjMy2MulgQe9 2025/06/01
いつでも母さん
140
好きな寺地さんだけど、ごめんなさい。途中で諦めた。読み始めからなんだか乗れずリタイアです。こんな時もあるよ・・と自分自身に言ってみた。2025/04/19
hiace9000
137
間違いなく当世きっての売れっ子作家である寺地さん、「書きたいから書いたけど、それが何か?」とでもつぶやいていそう。脳内に渦巻く雑念妄念を投影した私小説? それとも「橋を挟んだ向こうにある」もう一人の人格を現出させてみた冒険作? 物語を求める性から逃れられない人間のおかしみを前に、小説家として存在する匙小路ルイと谷川治ふたりの「書く」ことにこだわる心の内をランダムに遷移しながら描いていく。「これこういう作品でした」、と一括りのレビューを許さない流れの中に、しっかりと寺地イズムを織り込むところもまたニクい。2025/05/01
おしゃべりメガネ
109
一体どうしちゃったの、寺地さん?本当に本作を書いたのは寺地さん?これまでの作品、作風とあまりにも違いすぎて、どう考えても別人としか思えない作品でした。ボリュームが200ページちょっとだったから、何とか最後まで、ほぼ無理矢理読了でした。序盤はまだしも中盤からはいつもの寺地ワールドが展開されるのかと思ってましたが、結局最後まで期待していたような雰囲気にはならず。面白い、面白くないレベルの見方ではなく、ホント根本的に作者さんがなぜこういう作品を書いたのか、不思議すぎです。寺地さん、何がしたかったんでしょうね。2025/05/03
まちゃ
79
寺地さんが描く「物語ること」の功罪。作家・匙小路ルイが友人・谷川夫婦の消息を追う筋と、その間に挟まれる作中作。谷川愛里須の町内会会報の料理レシピ「焼き上がるまで」は分かり易かったですが、それ以外はとりとめなく、だいぶ読み飛ばしてしましました。疲れました。2025/05/11
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