著者等紹介
ザテューポ,コンスタンチン[ザテューポ,コンスタンチン] [Sat¨upo,Constantin]
1978年モスクワ生まれ。モスクワ印刷美術大学で学んだ後に、ベルリンのヴァイセンゼー美術大学でビジュアル・コミュニケーションを学ぶ。現在、ベルリンで絵本作家、イラストレーター、グラフィック・ノベル作家として活躍中。2019年からアート・プロジェクトの一環として、難民支援団体とのコラボレーションを行っている。2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻開始後は、アートイベントや学校、路上で、家を追われた子どもたちと日常的に交流している。日本での出版は本書が初めて
藤原潤子[フジワラジュンコ]
神戸市外国語大学准教授、かけはし出版代表。ロシアをフィールドとして文化人類学研究を行いつつ、絵本などの翻訳にもたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
173
作者はウクライナ難民家族を受け入れて暮らされたドイツのベルリン在住のロシア人の方だという事です。本当に身につまされる絵本ですよ。突然に故郷の家を奪われた難民の少年が、持ち運べる家や足が生えて歩ける家があってみんなが仲良く暮らせる家であればいいなあと空想するお話ですよ。私たち日本人の多くが恵まれた家に安楽に住んでいる事を考えると幼い子供たちの立場から見た素朴で単純な願いの思いに胸をえぐられますね。一刻も早く戦争が終わって平和がもどっきて、みんなみんな幸せになれたらいいのにと願いますね。NetGalleyJP2025/01/19
りらこ
25
遠い国の遠い話だと思っていないだろうか。難民のニュースを見てその時だけ感情が動いてそのままになっている自分を恥ずかしく思いつつ、苦しんでいる人たちが21世紀になってから3倍以上に増えていること、自然災害や経済問題でも難民になることなど決して遠い話ではないことを自覚。住んでいた家を小さくして持ってきたいという気持ちに、普通の暮らしが突然奪われることへの大変さをおもう。2024/02/09
anne@灯れ松明の火
20
新着棚で。大文字のタイトルと表紙を見ただけではわからないが、小文字の副題「『ふつう』のくらしをうばわれた なんみんのはなし」を読むと、ドキッとする。難民の子どもが、故郷の家を思い出す。魔法でおうちを小さくして、持っていけたらいいのに。あるいは、おうちに足が生えて、一緒に来てくれたらいいのに。ウクライナ難民との交流から生まれた絵本だそうだ。日本ではまだまだ遠い国のことと思ってしまう難民。「ふつう」であることの有難みを噛みしめ、世界中すべてが「ふつう」になってほしいと願う。訳は藤原潤子さん2024/03/19
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
普通ということがどれほど幸せなのかと改めて思います。世界で1億人以上が難民になり、その3分の1以上は子どもです。戦争や独裁政権が難民をうんでしまうことも多いですが、自然災害や経済的なことでもうんでしまいます。他国のことだから、と思うよりも災害で家を失った私たちの国の方々もある意味難民といえるのではないのでしょうか…。2024/02/08
ふじ
11
難民の気持ちを、「家」への愛着に焦点をあて、小さい子にもわかりやすく描いた絵本。平和な日本で育った大人には「難民」は自分ごととは捉えにくいかもしれない。でも、小さな頃に絵本で感情移入した子には、きっと難民に心をよせることが自然とできるだろう。短いけれど世界の入り口たりえる絵本の魅力を再確認しました。#NetGalleyJP2024/08/24