内容説明
広島と長崎を撮影したカメラマン、林重男。原子野の荒野を写したパノラマ写真をはじめ、原爆投下直後の貴重な記録はいかにして撮られ保存されたのか。彼が残した体験記に、平和運動にまい進した戦後の活動まで含めた詳細な解説を付す。150枚近くの写真を収録。
目次
第1部 林重男『爆心地ヒロシマに入る―カメランは何を見たか』(パノラマ写真;広島を撮る;裏側から見た戦争;長崎を撮る;原爆カメラマンたち ほか)
第2部 東方社カメラマン林重男とヒロシマ・ナガサキ(東方社入社まで;東方社・文化社の沿革と業務;東方社・文化社における林の業績;ヒロシマとナガサキの撮影;ヒロシマ・ナガサキ撮影以後 ほか)
著者等紹介
林重男[ハヤシシゲオ]
1918年生まれ。写真家。東京写真専門学校(現東京工芸大学)卒。陸軍傘下の東方社で『FRONT』をはじめとする対外向け宣伝物のための写真を撮影。敗戦直後に文部省学術研究会議原子爆弾災害調査研究特別委員会に参加し、広島と長崎を撮影した。戦後は商業写真家のかたわら、「反核・写真運動」の代表委員・運営委員長を務めるなど反戦平和活動を続けた。2002年9月1日没
井上祐子[イノウエユウコ]
1963年生れ。立命館大学国際関係研究科前期博士課程修了。現在、公益財団法人政治経済研究所主任研究員、同志社大学人文科学研究所嘱託研究員(社外)。専門は近現代日本の視覚メディア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よしじ乃輔
7
第一章:カメラマン林重男氏の「爆心地ヒロシマに入る」第二章:林氏のその後の歩みと日本史を交え解説。陸軍参謀本部傘下にあった政策団体に所属し戦意高揚の写真を撮影したご自身を戦争加担者といい、反核平和運動を続けられた。私蔵せず人類の負の遺産として公的機関に託された写真を見続けなければいけないと思う。国策の失敗を国民の悲劇で終わらせた結果を。2023/05/31
kaz
1
文章はざっと目を通した程度だが、今まで見たことのない写真も多々。核兵器かどうかは関係なく、戦争の悲惨さはしっかり意識して伝えるべきと思う。図書館の内容紹介は『被爆から2カ月後の広島・長崎の惨状を撮影したカメラマン林重男。写真撮影現場の様子、原爆被害の凄まじさと非人道性を伝える著作「爆心地ヒロシマに入る」と、彼の歩んだ道と業績を歴史的背景も交えて紹介する小伝を収録』。 2023/08/01
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