感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
103
「じゃむパンの日」が良かったので、ひとり出版社palmbooksの第二弾『palmstories あなた』には期待していました。ベージュ色の手のひらサイズの装丁と、文字のサイズもいい感じ。内容は、旬の作家たちの短編5篇からなる掌編アンソロジー。クスッと笑えるユーモアのある軽い読み物で、旅先でちょこちょこ読むのにちょうど良い。町田康「言ひ譯」、又吉直樹「行列」、大崎清夏「眼鏡のバレリーナ」が好みでした。でも「じゃむパンの日」程のインパクトはなかったかな。これからも、palmbooksには注目していきます。2023/10/22
コットン
77
神戸の本屋『本の栞』さんで見つけた。表紙がベージュの布地のようなエンボス加工の紙に白の箔押しでタイトルや著者名が入る凝った作りのA6変形判と小さく可愛い本。帯に:「あなた」と「きみ」をめぐる5つの“てのひら”の小説たち……とあり、5人の著者による本で、相手は人だったり人でない空間だったりする辺りがユニーク。 個人的には後記の著者紹介欄にそれぞれ好きな短編集の欄があるのにニンマリ。 冒頭の津村記久子『六階を見習って』は:買い忘れた物等に対して独自のちょっとした充足感のある場所を主題にしていて良い。2025/06/16
けんとまん1007
68
文字通り、掌編。あなたへ、そっと語りかけるような5つの作品。本のサイズからして、手のひらに乗るサイズ。どれもが、自分の中では、少しだけ違う空間を漂っているような風合いを感じるもの。独り言をつぶやくような、心の中で独白するような。少なくとも、大声で・・というものではない。と、言うことは、誰もが持っている部分かもしれない。2024/02/22
びわこっこ
57
御書印集めの旅で、東京のカモメブックスさんで購入した本。校正を専門とする本屋さんだけあって、箔押しの表紙に版も小さい手のひらサイズで手に取りやすい。老眼の私にはちょっと活字が小さくて読みづらかった。😓 でも、5人の個性派作家さんが書いた掌小説で、エッセイのような日常を切り取ったような小説。作家は、日常の一部分を切り取って、ストーリーを編み出し、小説にできるんだと、目の付け所に感心した! ものを「きみ」と読んだり、「あなた」読者に呼びかけたり、小説の手法を楽しませてもらった。2023/09/11
ぶんこ
48
小さくて可愛い装幀の本で読むのが楽しみでした。「あなた」と「きみ」をめぐる小説とありましたが、私の読解力の低さで、戸惑うことも。津村さん、又吉さん、大崎さんの作品が好み。特に大崎さんは初読みでしたが、サラリーマンらしき隣のおじさんの普段着がチュチュ!それでゴミ出しにも出る!なんか可愛らしいと思ってしまいました。2024/05/12