出版社内容情報
ウィリアム・ゴールディングが1954年に発表し、83年のノーベル文学賞に輝いた名作を、オランダのグラフィック・ノベル作家エメー・デ・ヨングが初めて漫画化。極限状況に置かれた子どもたちの争いを描き、「人間の本性とは何か」について深く考えさせられる内容になっている。物語は、少年たちが無人島に流れ着いたところから始まる。最初は海岸に流れついたホラ貝をシンボルとして結束していた子どもたちが、大人顔負けに派閥を作るようになる。ジャック率いる一派は〈狩猟隊〉と称して森に狩りに出かけ、口々に叫ぶ。「豚を殺せ!」「のどを切り裂け!」「血祭りにあげろ!」。彼らは次第にエキセントリックになっていき、ついに犠牲者がうまれてしまう。主人公のジャックも〈狩猟隊〉に目をつけられて襲撃を受けるが、かろうじて生きながらえるものの……。
【目次】
第1章 貝殻の音 9
第2章 山の炎 51
第3章 浜辺の小屋 91
第4章 塗られた顔と長い髪 111
第5章 海から来た怪物 145
第6章 空から来た怪物 159
第7章 影と高い木々 185
第8章 暗闇への贈り物 211
第9章 死の眺望 245
第10章 ホラ貝と眼鏡 265
第11章 城岩 287
初期のスケッチ 346 初期の登場人物のスケッチ 347 初期の絵コンテ348
作者より 350 訳者より 351
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
55
大人のいない世界で、こうなった。不時着した機体から脱出できた子供たちはサバイバルの中で野生化する。社会の規律、学校の規則、親も教師もいなくなり解放されて。狩の道具が弱い子や正論を口にするうるさい子に向けられるものの最初のうちはふざけたじゃれ合い程度だった。そして役割分担した規律ある行動よりも自由に暴れる方にエスカレートして行く。身体の大きな年上の子の強い声に従い、やがて声と声はぶつかり派閥争いが起きる。まるで世界の縮図。これが人間の習性なのだろうか。孤島に子供をラットにして放し飼いにした実験みたいだ。2026/10/09




