日常的な延命―「死にたい」から考える

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  • サイズ 46判/ページ数 324p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784910947044
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0036

内容説明

著者は「『死にたい』とはどのようなものなのか。無論、答えは人それぞれに異なっている。だからこれは、自分で自分の悩みに答えを出すために書いたものである」と語っているが、共感できないものだけでなく、どこか共感さえできてしまう範囲の「死にたい」にまで思考が巡らされていることが本著の特徴であろう。エッセイでもなく、医学的な論文でもなく、それらの外部から批評が選ばれ、呼ばれている。誰かのエッセイに一時的に共感することはあってもまたすぐに辛くなってしまったり、既存のセーフティネットとの相性がしっくりこないと感じているとき、そんな自分を救うための言葉を、「死にたい」という感覚それ自体を、考察していく。

目次

第1部 安心欲求論(「死にたい」の宛先;「死にたい」に込められた2つの願望;安心欲求の摘出;制作で流れる;ひきこもり移民というダイブ;個人作家アニメーションと抽象性の現在;自殺予防のセーフティーネット)
第2部 バーチャル/アクチュアル主体論(相対性のブラックホール;筋トレと自己準拠的な身体;『呪術廻戦』、『ONE PIECE』の断片的な考察)
第3部 幽霊的「死にたい」論(郵便的不安の重なり;2010年代の躁鬱;Z世代にみる承認と安心の掛け算)
第4部 フランツ・カフカ論(だれが『変身』するのか;『訴訟』の謎多きプロセス;日常的な延命)

著者等紹介

小川和[オガワナギ]
1991年、千葉県生まれ。作家、批評家。慶應義塾大学文学部卒業。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾」に参加し、さやわか審査員特別賞を受賞。本書がはじめての著作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

5
もっと自身の「死にたい」の体験から考える書物かと思いきや、一般的に観察される「死にたい」への処方箋として書かれていた。2024/06/05

SAHARA

0
「死にたい」と考えているうちは、死にはしないということか。そのための方策を持っておく。それは映画でも制作でも、引きこもりでも旅行でも留学でもいい。 カフカ読んでみようかな。 存在論的不安(一般的な死にたい)と幽霊的な死にたい(死ぬかもしれない、社会的な死にたい)。2024/07/18

pp

0
難しく思えるところもあったけど読みたい本増えたし、自分のネガティヴな感情をもっと客観的に現実的に対処したほうがいいよなと思った。2024/06/15

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