内容説明
路上の落書きから、不幸の手紙まで。なぜ人は、理屈でわりきれないことに熱中するのか。鋭い観察眼とブラックな笑いで現代社会を斬る、異色ノンフィクション。
目次
“不幸の手紙”コレクション
地蔵は服を着る
「欲しいもの」を持っているのは誰か
鉄柱詩に見る、芸術と犯罪と症状
破壊に吸い寄せられる
「チャットGPTみたいなことを言うな!」
バーチャルに侵略される
脳内物質を求めて右往左往
孤独と犯罪に相関関係はあるのか?
寝顔の発見
「水槽学」的考察
必ず逆を教える病気
それぞれの「生きのびる」問題
価値観の謎
人が姿を消すとき
猫で一攫千金
したたかなキョン
本物を凌駕する偽物
何者かになるための準備
著者等紹介
インベカヲリ☆[インベカヲリ]
1980年、東京都生まれ。写真家、ノンフィクション作家。短大卒業後、独学で写真を始める。編集プロダクション、映像制作会社勤務等を経て2006年よりフリーとして活動。2018年第43回伊奈信男賞を受賞、2019年日本写真協会新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クリママ
41
著者はカメラマンであり文筆家。まず犯罪について書かれているが、それがの郵便ポストに高野豆腐を入れたというような意味不明のものばかり。例にあげられた犯罪だけでなく、なかなか共感を得られるものがなく、乗り切れない。が、後半では、「第三次世界大戦がはじまるなどと言われるけれど、日本には引きこもりという強い味方がいる。赤紙が来たとしても、彼らは絶対に動かない」「ワーッと売って消える本や、時代が過ぎたら売れなくなる本はどれも軽くて薄いんです。」など、なるほどと思うユニークな見解が多く、しっかり読めた。2025/01/01
かめぴ
9
あの人はちょっと…と言われそうな人に興味があるらしい著者。「カメラマン&文筆家」の2冊目を読む。中抜き明朝体(と思う)の各章お題が、何とも良い感じ。で、『鉄柱に書かれた詩』を芸術と見て探し撮る著者。「成長する筋力で感じる鉄の重力」書かれた場所は大久保駅ホームの鉄柱。こういうのをニヤケながら読むの、楽しい。他にも犯罪絡みや、千葉のキョン問題とか、チャットGPTが絶対言わない事、AIが考えつかないような事、例えば仏像窃盗犯が「この仏像に恨みがあった」とか、この件だけでご飯三杯はいける。2025/07/31
mame
7
とりとめのないエッセイだけど、主張がしっかりあった。読み終わるまでに時間かかった。2025/06/01
ユーキ
7
生きのびるブックスという謎の出版社のウェブサイトで連載したエッセイをまとめた本。 割と最近、コロナ禍後の時事ネタメインなんだけれど切り口というか著者が興味をもった対象との距離感が独特で面白い。 しょうもない犯罪について、そのしょうもない犯罪者よりで語ってる章もあるのだけど著者自身は絶対に法を犯さないんだろうなという安心感もある。本業?は写真家みたいなのでそっちの本も探して読んでみたい。 中には怒る人もいるだろう内容だけどもっと読まれていい本だと思う2024/11/16
espoir
6
高松にある本屋ルヌガンガを訪れた際に購入。店主さんが仰っていたように、どの章もすごく面白かったし、鋭い観察眼と物言いが最高。取り上げられた軽犯罪の事例の中には、私自身もニュースを見て印象に残っていたものがいくつかあったな〜。どの章や文章が面白かったか記しておこうとパラパラ読み返したが、どれも面白くて選べない。おすすめです。2025/01/02
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- 和書
- 届かなかった想い