内容説明
“キラキラの青春”だけが、青春なのか?太陽族、みうらじゅん、乃木坂46…。様々なジャンルを横断しながら、私たちの自意識を刺激してやまない青春イメージを読み解く、社会文化史。
目次
謎を抱きしめて
さらば青春!?―七〇年代のターニングポイント
メディアに息づく「青春」
いつか振り返る日のために
“輝けない者たち”のブルース
アンチという名の王道をゆく
大人の結論―それでいいじゃないか、の心
恋愛至上主義の果てに
アイドルの辞書に“青春”の文字はない
いくつになっても逃げられない
さらば、青春
変わったもの、そして変わらないもの
著者等紹介
石岡学[イシオカマナブ]
1977年生まれ。京都大学総合人間学部卒業、同大学院人間・環境学研究科博士課程修了。同志社大学文化情報学部助教などを経て、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は教育の歴史社会学。近代日本を対象に、入試や就職といった教育と選抜をめぐる現象や、子ども・若者イメージの社会的構築などを研究している。『「教育」としての職業指導の成立―戦前日本の学校と移行問題』(勁草書房、2011年)で第5回日本教育社会学会奨励賞(著書の部)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よしたけ
53
①青春はコンテンツとして消費され、さまざまなメディアを通じて片づけられ意味付けられる②これを参照点にそれぞれが自身の青春を評価しており、人生に少なからず影響を与えている。という仮説をもとに幅広い人々の青春を分析。様々な著名人のコメントも取り上げてあり興味深い。草食系と呼ばれる若者の間で語られる青春は受け身で過去とは形を変えていそうだ。一方、若ければ青春というわけではなく心の持ち用で何かを純粋に突き詰めて続ければいつでも青春できるとも言える。答えは出るものではないが、様々な青春を感じられて興味深かった。2024/08/14
makoto018
8
成長小説、いわゆるビルドゥングス・ロマンが好きなのだが、これは、70年代頃作られたドラマなどが底流にある「かつての青春」からの流れだったのか。世代的には団塊ジュニア世代で、「青春はダサい」80年代にもろに被ってるはずなのだけど。テレビドラマや映画の分析による、70年代「かつての青春」、80年代「茶化しの対象」、90年代「ありのままの青春」、2010年代「neo青春」との分析が面白い。さらに、スマホ、SNS時代になり、青春がスタンプラリーのようなものになったという分析は、コト消費の時代とも結びつき納得である2024/06/27
Y.T.
3
青春がテーマの著書。僕にとって青春は10年代のライトノベル(『俺ガイル』とか)の印象が強いが、意外と全く言及されていなかった。 むしろこの本の中でゼロ年代から10年代は「等身大の青春が数多く描かれた〈NEO青春もの〉の時代」、「少女漫画原作の恋愛映画が数多く作られた〈キラキラ青春映画〉の時代」と語られていたので、やはり人の数だけ青春があるんだろう。良い意味で相対化された。2024/06/01
ヨシオ・ペンギン
1
青春小説とか,映画とか,昔から好きだった。これがなぜなのか,なんとなくわかってきた気がする。2025/02/18