内容説明
本書は、第二次世界大戦後から1980年代までの、子どもから障害児を「分けない教育」実践が開始された時期及び、その方法や名称が生まれた経過を明らかにするものである。「分けない教育」は、1950年の早期から教育雑誌などに掲載されている。特に生活指導関係の当時の書物や史料には「分けない教育」実践が多数報告されている。地域的にも広がっており、大阪府や山梨県、福島県いわき市など日本各地に「分けない教育」実践が報告されている。本書はそれらの「分けない教育」の歴史を掘り起こし、体系づけるものである。
目次
子どもから障害児を「分けない教育」を掘り起こす
第1部 占領期から1950年代の、子どもから障害児を「分けない教育」(占領期の、子どもから障害児を「分けない教育」の成立;生活指導による「分けない教育」実践の成立)
第2部 子どもから障害児を分ける教育の制度化(1960年代の文部省による統合教育実践成立;田中角栄内閣成立から1973年養護学校義務化政令に至る経緯)
第3部 分ける教育の場を拒絶する共同教育と共育実践の誕生(日教組の共同教育の内容と展開;東京の共育による「分けない教育」思想と教育実践)
戦後日本の、子どもから障害児を「分けない教育」の歴史は存在した
著者等紹介
久米祐子[クメユウコ]
1959年福岡県生まれ。2021年1月博士(教育学)(九州大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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