内容説明
約2500年前にインドに興ったマガダ国に、若き王様・アジャータサットゥ王が実在した。「沙門果経」は、この王様の「出家をすると何か果報(利益)がありますか?」という問いに対するお釈迦様の回答をまとめた経典である。お釈迦様は、修行過程で得られる果報を、戒・定・慧の段階を踏みながら詳細に解き明かしていく。ここには仏教の教えの要点がすべて網羅されているとともに、お釈迦様の卓越した教え方も理解することができる。お釈迦様の教えを確かに伝える初期仏教経典がスマナサーラ長老の解説でいきいきと蘇る!
目次
第1部 王様の質問
第2部 六師外道(「非業論」を説く哲学者 プーラナ・カッサパ;完全な「定め論」を説く マッカリ・ゴーサーラ;厳密な「唯物論」の哲学者 アジタ・ケーサカンバラ;絶対的な「七つの元素論」を説く唯物論者 パグダ・カッチャーヤナ;唯一の「道徳肯定論」と「苦行」を認める ニガンタ・ナータプッタ;認識の問題を追求する不可知論者 サンジャヤ・ベーラッティプッタ)
第3部 ブッダの話(第一の沙門の果報;第二の沙門の果報;さらに優れた沙門の果報;出家の倫理的な生き方1―小戒;出家の倫理的な生き方2―中戒 ほか)
著者等紹介
スマナサーラ,アルボムッレ[スマナサーラ,アルボムッレ] [Sumanasara,Alubomulle]
テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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