内容説明
たった百字で小説なんて書けるわけ、え?書ける?風情と余韻を百字にギュッと詰め込んだ、珠玉のマイクロノベルたち。要らないものは文字の外へ追い出して、さあ、名手・北野勇作による百字劇場の始まり始まり。
著者等紹介
北野勇作[キタノユウサク]
1962年、兵庫県生まれ。1992年、デビュー作『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞、『天動説』で第1回桂雀三郎新作落語“やぐら杯”最優秀賞を受賞。2001年には『かめくん』で第22回日本SF大賞を受賞。著書多数。ライフワークとも言える“ほぼ百字小説”は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は4000を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
19
百字のマイクロノベル集。ぎゅっと凝縮された世界が簡潔に描かれて、分からないことも難しいこともたくさんあるのに、そこになにかが成り立っていることは確か。ちょっと懐かしい日本SFの匂いがあって、そこが好きです。2023/10/19
マツユキ
18
百字小説、本でも読めるのは嬉しい。一話一話、濃く北野勇作作品で、満足。今月、来月も新刊が出るので、楽しみ。2023/04/22
宇宙猫
15
★★★ 異世界に侵食されているような不思議な話。「ねこラジオ」の方が興味が持てて面白かった。2024/06/10
ao
8
1ページで完結するSF超短編集。SNSでアップしていた作品のうち、SFのものだけ集めたもの。思わず、あっと声が出てしまうぐらい秀逸なもの、くすっと笑えるものなど、作者の工夫や発想を楽しめた。 一気に読まないで、少しずつ読むと面白さを新鮮に楽しめると思う。2023/04/23
新天地
7
1ページ1作で1作百字。そのため読み易く本当にいつでもどこでも読めるが、もったいなくて一日数編しか読まなかったので読了まで長くなった。物語の着想をSFの定番設定やステレオタイプの物語、時には哲学的思想、さらには時事ネタなどから得たであろうと思われるものも多く、その元ネタ的なアイデアの源泉を予想する物も楽しかった。またそれらのアイデアや書き出しが同じ作品でもその後の展開は千差万別であり、アイデアとストーリーの生かし方で無限の世界を僅か百字の中作っていた。作品から漂うシニカルさと郷愁を誘う温かさが魅力だった。2024/10/20