内容説明
大正から昭和時代にかけて活躍した自然主義作家・加能作次郎を再発見する作品集です。『恭三の父 乳の匂ひ 加能作次郎秀作集』(既刊)に続く、2冊目となります。「小品集」とした本書では、父、母、継母、妻との交流と葛藤、能登の自然と風俗、海と共に生きる生活を描いた比較的短い作品を収録しています。故郷の夏祭りを妻と共に回想する「富来祭」、昔話を語る姿を通して継母を描く「母」、米を炊くための釜の購入を巡る妻とのいさかいをユーモアに包みながら語る「釜」、能登から上京したなんとも素朴で愛らしい義祖母を描く「祖母」、大学入試共通テストにも出題された若き作家の自己省察が現代の若い人にも通じそうな「羽織と時計」、能登の海の厳しさを童話にした「少年と海」(「赤い鳥」所収)など、10作品をとおして作家・加能作次郎の魅力を伝えます。
著者等紹介
加能作次郎[カノウサクジロウ]
1885年(明治18)年1月10日、石川県羽咋郡西海村風戸(現・石川県羽咋郡志賀町西海風戸)で生まれる。翌年、実母(はい)が死去。まもなく父(浅次郎)は再婚する。1898年高等小学校を病気退学後、伯父をたより京都へ。宿屋・薬屋・洋食屋などを営む伯父の元に寄寓し働く。1900年、伯父が死去。京都・大阪でさまざまな職業につく。1903(明治36)年、父の病気のために帰郷。その後、村役場臨時雇い、小学校の臨時教員から正式に教員(訓導)となる。この頃より雑誌への投稿を始める。一九〇五(明治三八)年、教員をやめ上京、二年後、早稲田大学高等予科、翌年早稲田大学大学部文学科英文科に入学。一九一〇(明治四三)年、小説第一作「恭三の父」を『ホトトギス』に発表。卒業後は早稲田大学出版部、さらに博文館で雑誌編集のかたわら作品を発表していく。その間、一九一四年に結婚(妻・房野)、のちに二男四女をもうける。一九二一年、博文館を退社し文筆に専念する。一九四〇(昭和一五)年、最後の長編「乳の匂ひ」発表。一九四一年八月五日、自宅にて、五六歳で死去
杉原米和[スギハラヨネカズ]
1956年石川県七尾市石崎町生まれ。金沢大学教育学部中等国語課程卒業。早稲田大学国語国文学専攻科修了後、京北学園中学高等学校で国語を担当。京北学園白山高等学校副校長、京北幼稚園長、東洋大学京北学園白山高等学校副校長、東洋大学京北中学校副校長を経て、現在は、東洋大学教職センター専門員、井上円了哲学センター客員研究員、江戸川大学非常勤講師として教職志望の学生の指導に携わる。いしかわ観光特使、石川県人会常任理事(広報委員長)、『石川縣人』編集長など、石川県の情報発信を教育とともにライフワークにしている。二〇二二年一月から「ラジオななお」パーソナリティ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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