内容説明
「和するこころ」と聞けば、あらゆる人々の心が一つにまとまって、どんな人の心とも異なることがない。そして、だれもが同じ思いになって笑い合っているような心を想像するかも知れない。しかし、そうではない。みんなが異なる思いや考えで行為していながら、そのことでだれの心も損なうことがない。かえって個々の心が自由に主体性を発揮させられている。「和するこころ」とは、そんな寛大な心である。お互いに何の争いごともなく和し合っているのは、個々の異なる心を互いに認め合ってゆく大きさを持っているからである。
目次
第1章 和を以て貴しと為す(和を貴んできた民族;仏教伝来 ほか)
第2章 達れる者は少なし(自ずから礼が生じている;逆らうことなきを宗と為す ほか)
第3章 不生でととのう(優れた師を求む;今日まで遺る功徳 ほか)
第4章 「真空」作用に由って在る(始めに「絶対真空」あり;脚下を看よ ほか)
第5章 物にゆく道こそありけれ(安楽の法門を求めて;生命への畏敬 ほか)
著者等紹介
形山睡峰[カタヤマスイホウ]
昭和24年、岡山県柵原町(現美咲町)生れ。大学終了後、東京中野の高歩院住職・大森曹玄老師の下で出家得度。曹玄老師に嗣法の後、各所にて禅会を開催。昭和63年、茨城県出島村(現かすみがうら市)に菩提禅堂が建立され、堂主に就任。平成19年同市宍倉に無相庵を開創、今日に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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