感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
14
ゲームというインタラクティブなメディアの一種に付随する点で特異性を有するサウンド、その分析によって見えてくる普遍的なものがある。欧米ではゲーム音楽研究はある程度確立した学問領域となっており、本書はそれらに不足している歴史的な掘り下げを補いながら、流れと構造を概観する。議論はハードウェアの発達やゲーム音楽マニアのムーブメントをなぞりながら、サウンドの身体化や没入、物語世界の内外といった概念領域へも接近する。ゲーム音楽を大なり小なり好んできたのであれば、自身の体験に照らしつつ、それを捉え直す読書になるだろう。2025/01/30
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
14
今までゲーム音楽にここまで向き合ってきた著書があっただろうか。ゲームが好きである私自身も「ゲーム音楽がなぜいいのか・普通の音楽に遜色がないのか」を伝える語彙がなかった。ゲームについて言語化することは一般的に知ってもらうこと。いまだ当たりが強い分野の音楽についての本が書店のポピュラー音楽」のコーナーに並んだことや、ゲームの影響を受けたアーティストが今後も活躍していくことなどから少しずつ氷解されてほしい。2024/10/30
MASA123
7
1970年代後半、インベーダーゲームのピコピコ、キューンといった単純な電子サウンドがめずらしかった。ゲームの効果音を楽曲にいれた音楽もかっこよかった(YMOとか)。1980年代に、スーパーマリオブラザーズ(近藤弘治)、そしてドラゴンクエスト(すぎやまこういち)が出現。高度に音楽的なゲームBGMは、ここからスタートした。本書は、ゲーム機器の初期から、最近のゲームミュージックまでを網羅的に解説した、すごい本。 2025/01/02
niz001
6
面白い視点のゲーム音楽論。2024/11/02
ディス
2
△。歴史の話が多くて面白いかというと微妙なところ。しかし「普通の音楽」にそこまで憧れるか?とは思うが、そのへんは今ほどビデオゲームが当たり前の趣味として広まっていなかった時代ってのもあるのかな。あと音楽に関する感想やレビューを、一般人にクリシェ抜きでやるのを求めるのは酷だと思う。そこは実戦が見たかったなという感じ。音ゲーに関する完全に誤解としか思えない記述があって、そこは残念というか、何でそうなった?2025/05/16