感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
15
再読。前回より観た本数も回数も増えて、ラーマ王子とシータ姫そうだったのか!などと瞠目すること多し。言語や宗教の多様ぶりもさながら、映画製作自体が各文化圏で独立していること、音楽も分業制になっていて、古典音楽の習得が必須なことなど、奥深くて面白過ぎる。ただし俳優の多くは映画カーストの出身とか、サルマーン・カーンはひき逃げ事件の悪印象を払拭するために「バジュランギおじさん~」で善い人を演じたとか、知りたくないこともままあるものだ。また知りすぎると感性で観られなくなってしまう部分もあるので、程々で。2023/10/19
活字スキー
15
情報が……情報量が多い……!『バーフバリ』以降、気になったインド映画はなるべく劇場に行って観るようにしているのだけれど、観れば観るほどインドという国の底知れなさを感じる。近年公開された中から厳選された「見るべき26本」だけでも、バラエティに富んだ、実に興味をそそられる作品が目白押し。さらに、覚えておいた方が良い名優の紹介や、作品に関連する社会事情などの解説も豊富。後半では多言語やスターシステムといったインド映画ならではの特徴、およそ100年のインド映画通史と読み応えのありすぎる内容だった。2023/08/18
Sakie
12
我が家はインド映画にはまり、まあまあの数を観てきた。どれがどれかわからなくなっていたりもするので、写真で思い出したり、まだ観ていない映画をリストアップしてきゃぴきゃぴ楽しめたらくらいの感覚で開いたら、全く真剣な分析と論評の本だった。広いインドは言語も文化も土地によってばらばらで、従って一口にボリウッドと呼んでしまっていたけれど、映画も違うのだそうだ。シネコンの興隆によって、従来インド人が楽しんだ楽しみ方ができる映画が減った話は寂しい。話の流れを踏み倒すほど盛ったシーンやダンスが私は気に入っているのに。2022/03/29
gu
4
『バーフバリ』でインド映画を知ったニワカが言うのも気が引けるけれど、この本の内容を押さえずにはおそらくインド映画のことは語れない。近年の注目作品ガイドに加え、文化・政治・宗教を背景にしたインド映画史、スターシステムやカースト制度といったキーワードの解説など、200ページ弱の分量でとても充実した内容。2021/05/05
in medio tutissimus ibis.
3
歌って踊って凄いけどこれ俳優の人大変なんじゃないかと思っていたら、歌はプレイバック方式といって別の歌手が吹き替えることもあるよう。でも踊りは自前になるので、そういう敷居の高さが人口が多い国でカースト制にも拘らず参入障壁も少ないらしいのに(映画カーストなるものは特に上流において存在するらしく、産まれも重要らしいが)少数のスターに依存する体質の原因なのかもしれない。アジアで初めて映画が上映され作られた土地だからか、映画の地位が思ったよりも高い。それでもシネコンなど見る環境の影響も受けるようで、コロナ以後は如何2024/07/19