内容説明
いよいよ仏教の根本思想を解き明かす『涅槃経』の始まり!従来にない懇切丁寧な訳述により釈尊の教えを目の当りにできる希有な書。併せて僧侶の水行の是非も問う。宗教をもたない人にとっても釈尊の「七箇条の教え」は新たな知見のみならず幸福を得る吉祥にほかならない。
目次
1 仏教における水行の是非(水による心身浄化を否定したとされる釈尊の教誡をいかに読むか;釈尊が否定したヒンドゥー教式水行をのちの仏教が取り入れたわけ)
2 『大吉祥経』と『吉祥なる一夜経』の教え(「これが最上の吉祥だ」となぜ釈尊は繰り返し説かれたのか;釈尊が在家にも出家にも説いた人を幸せにする吉祥とはなにか ほか)
3 釈尊最後の旅路『涅槃経』を読む(1)(釈尊最後の旅路とされる『涅槃経』を正しく読み始めるために;仏教徒阿闍世王の隣国を攻めたいという諮問への釈尊の教誡 ほか)
4 釈尊最後の旅路『涅槃経』を読む(2)(初めは邪見であった常楽我浄が正見へと逆転したのはなぜか;釈尊と舎利弗の問答で明らかになる真の宗教家の見分け方 ほか)
5 釈尊最後の旅路『涅槃経』を読む(3)(最晩年の釈尊が説いた覚りの境地へと到る道;仏物と僧物で分かる布施を受けた物は誰のものになるのか ほか)
著者等紹介
鈴木隆泰[スズキタカヤス]
1964(昭和39)年、東京都生まれ。東京大学工学部・文学部卒業、同大大学院人文社会系研究科博士課程中退。同大にて博士(文学)。東京大学東洋文化研究所助手等を経て、山口県立大学教授。同大大学院国際文化学研究科長、同大附属図書館長を歴任。2004(平成16)年に日本印度学仏教学会賞を受賞。専門はインド哲学仏教学、インド大乗経典研究。東京都日蓮宗善應院住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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