内容説明
初の小説『赤い砂を蹴る』が第163回芥川賞候補になった劇作家石原燃による性をめぐる3つの物語。「慰安婦」問題を扱った『夢を見る』、男性の性暴力被害者を描いた『蘇る魚たち』、日本ではまだ未承認の中絶薬使用の一夜を描いた作品を収録。著者による書き下ろし解説付。
著者等紹介
石原燃[イシハラネン]
劇作家。小説家。東京生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。2007年より戯曲を書き始め、書き下ろしの依頼を受けるようになる。2011年の夏に大阪に移住し、演劇ユニット燈座(あかりざ)を立ち上げる。2016年に東京に戻り、現在はフリーで活動している。2010年、日本の植民地時代の台湾を描いた『フォルモサ!』が劇団大阪創立40周年の戯曲賞にて大賞を受賞。2011年には原発事故直後の東京を描いた短編『はっさく』がNYの演劇人が立ち上げたチャリティー企画「震災SHINSAI:Theaters for Japan」で取り上げられ、2012年3月11日に全米で上演された。その他の主な戯曲作品に、義足を盗まれる事件に遭遇した母娘を描いた『人の香り』、NHK番組改編事件を扱った『白い花を隠す』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チャロ
4
☆5 劇作家による性に関する3つの物語。『元慰安婦』の話。男性の性被害者の話。中絶と中絶薬の話。3作とも小説ではないセリフ超多目で作者の意思がストレートに入ってきた。著者による書き下ろし解説も良かった。2022/06/05
悠
1
私はあまり性に関する問題に自分が悩まされたことは正直ないし、巻き込まれたこともない。ある意味考えることを面倒くさがっている部分も大きいかもしれない。彼女たちの断片を読んでる時にニュースで自宅かどこかで産んだ子供を殺害したことで捕まっている女性を見た。それを見て女性を非難する声は当然のようにあがっていた。しかし、彼女は本当に産みたかったのだろうか、中絶の選択がもっと簡単に手の届くところにあれば違った結果だったのではないだろうかと考えずにはいられなかった。2022/06/28
るる
1
押し付けがましくなく、そっと寄り添ってくれます2022/06/04