内容説明
死の影が忍び寄る妻を看病する「私」の前で「あなた」のあふれる生命力はまばゆい光を放っていた。韓国語でもよめる。
著者等紹介
金薫[キムフン]
1948年ソウル生まれ
柳美佐[リュウミサ]
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。英系船舶代理店勤務、日系電機メーカー社内通訳(英語)を経て現在同志社大学嘱託講師。在日コリアン三世。2021年より韓日文芸翻訳を学ぶ。第6回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて本作「火葬」で最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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橘 実来
5
病により枯れ木のようになって死んでいく妻と、生き生きと若さを躍動させる若い会社の女性部下。弱って死に近づいていく妻と鮮やかに今を生きる部下。年齢特有の病をもつ私と相まって、生と死の対比が眩しすぎる光のよう。 原文ハングルの日本語翻訳としてはとても滑らかなのに、なにか一語一語の言葉がとても強いと感じた。あるがままの事象をあるがままに表現することは簡単なようで、難しい。冷徹なまでにそれらを表現しているその文体は凄みさえ感じさせた。 2024/07/28
Jessica
0
『原題『화장』は「火葬」と「化粧」のどちらにも読める。作中では、肉体の消滅を象徴する火葬と、生きて躍動する肉体がまとう化粧を対置することで、生と死についての根源的な問いを読者に投げかける。』(63頁) 上記の皮肉さ。 生と死の対比をこれでもかと書き綴り、介護の排泄と授乳の比較にうんざりし、少々過大評価されすぎた作品ではないのかと疑問に感じました。 肉体、精神共に「老いる」ということを一切の忖度なく書いた短編。いつもならこのシリーズは韓国語原作の方も読むのですが、あまりにも気が進まず終わりにしました。 2024/01/07
はんちゃん
0
生々しかった。気がすすまなかったので、日本語だけ最後まで読んだ。韓国は日本より、犬猫の扱いが家畜やモノに近い気がする。人間が大事って感じ。2024/12/23
朝
0
正直気持ち悪さを感じていたが、解説をよんで理解はした2023/12/10
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