内容説明
江華島で出会った素性の知れない女は、渇きを充たすようにカニの醤油漬けを貪る―季刊誌『Koreana』掲載作品から厳選された12編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kibita
10
韓国文学らしい12編のアンソロジー。クオン・ヨソン以外は初読み作家さん。こんな風に色んな作家さんの作品をもっと翻訳出版して頂けたら嬉しいな。決して文字を覚えてはいけないが書けるようにされた奴婢の悲しい一族の秘密…時代劇ドラマの様なキム・ドッキ『鎌が吠えるとき』、ユン・デニョン『からたちの実』三十年音信不通の叔母から突然手紙が届いた甥…棘のあるからたちは家族から疎まれた叔母そのもの。ク・ヒョソ『塩かます』も印象に残ったが、夫の壮絶な暴力に耐え抜くオモニを賛美している様で、テイストが少々時代錯誤な読後感。2024/04/11