内容説明
六十八歳の「私」は二十三歳の青年に淡い恋情を抱いた。彼の名はダニー、アンドロイドだった。
著者等紹介
ユンイヒョン[ユンイヒョン]
尹異形。1976年、ソウル生まれ。2005年に短編小説「黒いヒトデ」が中央新人文学賞を受賞し文壇デビューを果たす。2014年の「クンの旅」が第38回李箱文学賞の優秀賞と第5回若い作家賞を、2015年には「ルカ」で第6回若い作家賞と第5回文知文学賞をそれぞれ受賞し、一段と注目を集める
佐藤美雪[サトウミユキ]
1975年生まれ。北海道大学文学部卒業。延世大学校語学堂で韓国語を学ぶ。韓国系企業での勤務の後、雑誌記事等の翻訳、法廷通訳に携わる。第3回「日本語で読みたい韓国の本翻訳コンクール」にて本作「ダニー」で最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かもめ通信
19
なにか事件が起きたらしいのだ。その事件には、育児用に特化されたアンドロイドが関わっているよう。それはアンドロイドの「意思」なのか、バグなのか、はたまた所有者が意図したものか!?だが関係者の証言から浮かび上がるものは、とてもせつない思いだった。2022/10/31
Nishiumi
13
働く娘の代わりに子供の面倒を見る老女。周囲と信頼関係を築くことをとうに諦め、孤独に甘んじている。体力と気力があった若い頃と違い、先の見えない育児が苦痛で仕方ない。そんなある日、育児アンドロイドのダニーと出会う。ダニーは心を開ききってくれているのに、優しくされるのが逆に辛い。それは本当の自分に向き合うのが耐えられないからだ。老いて、みすぼらしく、孤独な自分。逃げた先には何も残らないのに、ダニーを傷つけて勝手に距離を置いてしまう。素直になれない老女は、また孤独な日々に戻るのだった。2025/02/07
夜の手ざわり🌙☆*.+
5
取り調べ室らしきシーンから始まる韓国のショートショート。主人公は、孫の世話に明け暮れ、人生に疲れ果てていた68歳の女性。ある日出会った23歳のベビーシッターアンドロイド『ダニー』と交流するうち、頑なだった心をほぐされ淡い恋心を抱くようになる─。ダニーと出会ってからの女性の心の機微がとても繊細にうまく表現されていて、読んでいて胸にせまるものがありました。また、女性が何をしたのか、具体的には書かれていないものの、心情を独白させることで余韻の残るラストになっているのも良かったです。★42022/02/08
GO-FEET
4
一度読んだだけではピンと来なかった。二度読んでみて、ちょっとだけわかった気になった。しかし訳者解説を読んでも、まだスッキリしない。だれかこの物語を解説してくれへんかなぁ……2020/11/28
kom
1
2回読んでみたけど、何が起きたのかよくわからなかった。 (´・_・`)2021/05/07