内容説明
近代から現代へ―自然法がもつ意味を問う。政治の手段、利益の技術にすぎない法への抗議。人権・憲法・国際法を自然法が基礎づけた時代から数世紀。対立する各宗教は存続し、世界国家の成立もない現代において、宗教者にも非宗教者にも共通するべき正義の基礎、理想への信念ないし信仰としてある自然法。自然法という名の法律的理想主義の意味の現代化を説き、自然法を否定する諸学派においてもそれを避けえない事情を明るみに出す。
目次
自然法学派―十七世紀及び十八世紀における
自然法の確認及び是認(人権宣言―カントの学説)
歴史学派
功利学派
社会学派又は実証学派
法律的理想主義の再生の諸原因と特徴
連帯主義
実用主義
内容の可変的なる自然法
自由なる科学的探究
デュギー氏の客観的法の理論
法律と個人的良心との闘争
著者等紹介
シャルモン,ジョゼフ[シャルモン,ジョゼフ] [Charmont,Joseph]
1859‐1922。フランスの法学者。モンペリエ大学教授(民法)
大澤章[オオサワアキラ]
1889‐1967。法学者(国際法学)。東京帝国大学法科卒業。パリ大学、パリ・カトリック研究所に留学。九州帝国大学教授、学習院大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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