内容説明
「家族法の父」の平易な名著三冊を再編。法学の素養なしに読める語り口の、庶民向け実践的法学入門。争われている「それ」は誰のもの/権利/罪なのか。人生の重大事について事実と法律が矛盾してはいけないという根本問題を踏まえて論じられる法規と判例。旧法の規定する家族制度を批判、近代的な家族観に基づく家族法の基礎を築くとともに、法律の民衆化を志して、法文、判決文の口語化を主張した著者の問題意識と課題。過去の話でもあり、あるいは今も曖昧に残る感覚でもあり、そして今も変わらぬ話でもある、具体的紛争の数々。
目次
1(遺骨争い;亡父のした身元保証;大阪市の膨張 ほか)
2(民法第一条の例話;矢大臣左大臣論;はなしするごとく ほか)
3(大審院の国語変遷論;「国法の罠」;牝鶏勧めて ほか)
著者等紹介
穂積重遠[ホズミシゲトオ]
1883‐1951。法学者。陳重の子。1908年東京帝国大学法科大学卒業。同年同大学講師、10年同助教授。12年海外留学、16年帰国。同年教授となり、民法講座および法理学講座を担当。法学部長。43年定年退職。44年貴族院議員。49年最高裁判所判事。家族法を専門とし、旧法規定の家族制度を批判、近代的な家族観に基づく家族法学の基礎を築き、「日本家族法の父」と呼ばれた。また、法律の民衆化を志し、法文、判決文の口語化を主張した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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