内容説明
文化の各領域に見られる、理論的に対して実際的、書斎的に対して実験室的、演繹的に対して帰納的等々の言葉で表現されるアングロ・サクソン的性格の淵源であるイギリス法の伝統。抽象的理念主義思想が退潮し、歴史と経験を踏まえた実際的行動選択の精密な議論が求められる現在、回顧し参照すべき伝統。明治期に独仏大陸法を継受し、戦後は米国流憲法を制定したものの、独仏系思想の影響色濃い近現代日本の人文思想界の視野から外れがちな思想的伝統を知る基本文献。
目次
1 英米法の基礎(コモン・ローのゲルマン法的背景;国王の裁判所;裁判官と弁護士;陪審;令状の体系;王国の一般慣習法と判例法;法の優位;コモン・ローとエクイティ)
2 近代英米の法律思潮(英国の法律思潮;米国の法律思潮)
著者等紹介
高柳賢三[タカヤナギケンゾウ]
1887年生、1967年歿。英米法学者、法学博士。東京帝国大学法科大学卒業。同大学助教授を経て、1921年東京帝国大学法学部教授、1948年退官(名誉教授)。のち成蹊大学学長(名誉教授)。東京裁判で弁護人を務め、貴族院議員として新憲法案の審議に参加。憲法調査会会長、学士院会員、米国学士院会員、国際比較法学会正会員、国際仲裁裁判所裁判官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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