内容説明
時間は静かに過ぎてゆく。川の町に住み、訪れる鳥たちが、日々に彩りを添え、自らの生を取り戻す。透徹した眼差しに貫かれた十五年間の作品。
目次
1 (2008‐2014)(清澄通り;糺の森;豆腐のように ほか)
2 (2015‐2019)(都営バス;遠景近景;ほたるぶくろ ほか)
3 (2020‐)(あたらしき朝;大地;不要不急 ほか)
著者等紹介
川田由布子[カワダユウコ]
1947年千葉県生まれ。2008年第三歌集『水彩都市』刊行。現代歌人協会会員。日本歌人クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あや
22
著者は1947年千葉県生まれ江東区在住。短歌人所属。川や運河の多い下町の光景も見られる都市の日常を静かに素朴に軽みのある抒情で描写する。弟さんとお父様の挽歌が良い。川や水や月を詠んだ作品も好きです。タイトルは川に映る月がたびたび見られることから。 午後三時少し前にて止まりしまま壁時計の三月十一日/川の町に住みいて見れど飽かぬ月は水の月なり美しき月/降る雨の大川端の芭蕉句碑一礼をしてその前を過ぐ/つつしみの不老長寿のかたちなり下より順に実る無花果/この夏の猛暑を行くに差す日傘母の形見の久留米絣の2024/10/12