内容説明
ハリエットは自分の部屋でただひとり静かにチェロを弾きたいだけなのです。おおぜいの前で演奏するほど不安なことはありません。ですからうるさいフクロウにじゃまをされて、こころが乱れます。窓から投げたティーカップが、思いがけずお月さまに命中し、お月さまは空から落ちてしまいます。が、不思議なことに、お月さまとハリエットはすぐになかよしになり、お月さまが夢見ていたことをふたりでやり、忘れられない夜を過ごします。はたして、ハリエットはお月さまのために音楽を奏でる勇気をふるいおこせるでしょうか?
著者等紹介
ステッド,フィリップ[ステッド,フィリップ] [Stead,Philip C.]
作家。『エイモスさんがかぜをひくと』で2011年のコールデコット賞を受賞。イラストレーターの妻エリンと数多くの本を共同創作。ミシガン州北部に暮らしている
ステッド,エリン[ステッド,エリン] [Stead,Erin E.]
イラストレーター。『エイモスさんがかぜをひくと』で2011年のコールデコット賞を受賞。作家の夫フィリップと数多くの本を共同創作。ミシガン州北部に暮らしている
田中万里[タナカマリ]
長野県生まれ。大学卒業後、放送局勤務を経て渡米。帰国後、主婦。現在、カクイチ研究所非常勤スタッフ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリー
67
🌒【チェロ】弾きさんにお尋ねします。もし、お月さまに曲をリクエストされたらどんな曲を聞かせますか?🌕月夜の晩にチェロの奏でる音楽を聞いてみたくなりました。2021/09/12
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
44
絵が幻想的でとても素敵でした。ストーリーは捉え方次第で、色々感じ方も異なるだろう。2021/10/31
ヒラP@ehon.gohon
29
とても幻想的で暗喩のような絵本です。 独り静かにチェロを弾きたいハリエットと、人前で演奏して欲しいと、ハリエットの演奏に期待を寄せる両親との葛藤の間で、彼女は不思議な世界に入り込みました。 心の世界でしょうか。 繊細でおぼろげな物語の中で、ハリエットは夜空を照らす月と友だちになります。 人のために何かをする、人のためにチェロを演奏する、心からの出口を、ハリエットは見つけたようです。2023/02/08
mntmt
11
素敵な音楽会になっただろうなぁ。2022/12/29
遠い日
5
ステッド夫妻の作品、やっぱりやさしくて包容力があって、引き込まれます。音楽は好きだけれど、みんなの前で演奏するのなんか嫌!というハリエット。ひとりで静かにチェロを弾きたいだけ。そんなハリエットの心を乱したフクロウに思わずきつい仕打ちをしてしまった彼女のところに、難題が降りかかります。しかし、自分の責任だと知るやハリエットは果敢に動きました。これが彼女の心をほぐしたようです。そして初めて誰かのために音楽を奏でるということにチャレンジできました。2023/10/26