内容説明
ロシアの伝統楽器として知る人も多いバラライカはどのような歴史をたどってきたのか。農民社会と共にある楽器として、国家の文化政策の一翼を担うものとして、バラライカには複雑な歩みがある。旧ソ連圏の弦楽器を概観し、前著『民族楽器バラライカ』を増補した歴史編に現在のバラライカ文化を担う現役の演奏家や製作者たち12人のインタビューを加え、未来に向かう伝統を考察する。
目次
第1章 バラライカの親族楽器(バラライカの親族楽器の分布;ドンブラ;キルギスのコムズ ほか)
第2章 バラライカの歴史(バラライカという楽器と演奏文化;バラライカの起源(一八八〇年代以前)
V・アンドレーエフによる楽器の近代化(一八八〇年代~一九一七年) ほか)
第3章 制度の隙間で奮闘する人たち(セルゲイ・クリューチニコフ~始まりの文学者;ヴラジーミル・ユーリエフ~伝統文化に魅入られた舞台俳優;ドミートリー・カシューチン~伝統にスキルを活かすITエンジニア ほか)
著者等紹介
柚木かおり[ユノキカオリ]
東京外国語大学ロシヤ語学科、同大学院博士前期課程、総合研究大学院大学博士後期課程修了。博士(学術)、кандидат культурологии(モスクワ、国立芸術学研究所)。モスクワに2度留学(1995~97年、2000~04年)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構プロジェクト研究員、関西外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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