内容説明
越境する言葉は何をもたらしたか。“翻訳”をキーワードに、日本とロシアの文学世界を読み解く。
目次
第1章 文学の翻訳から翻訳文学へ
第2章 移動の文脈における“翻訳者”と文化翻訳
第3章 日露戦争前後の日本の翻訳文学
第4章 日本文学のロシア語翻訳とロシア文学における日本人表象
第5章 異文化表象と女性の周縁化
第6章 翻訳の可能性と文学の越境性
著者等紹介
溝渕園子[ミゾブチソノコ]
広島大学大学院文学研究科教授。1970年生。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業、同大学院地域文化研究科博士課程単位修得満期退学。博士(文学)。熊本大学文学部准教授、広島大学大学院文学研究科准教授などを経て、2018年より現職。専門は比較文学。日本とロシアとの関係を主軸に、近現代の言語文化の越境をめぐる諸問題について、文学の見地から考察している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かもめ通信
24
専門は比較文学で、近現代の日本とロシアの文学的な相互関係について、翻訳や異文化表象の諸問題を中心に研究しているという著者による論文集。〈翻訳〉の定義はかなり広義で、一般的なある言語から別の言語への翻訳だけでなく翻案をも含み、さらには旅行記における「他国の文化を自国に持ち帰り、自国の人々に理解されるように見せるときに働く意識」といったところにまで及ぶ。情報量が多く、とても隅々まで読みこむほどの気力も実力もなかったが、ところどころにツボるポイントがあって、たびたび脱線を余儀なくされる面白さがあった。2021/04/23
Shun'ichiro AKIKUSA
5
勉強になりました。博士論文の書籍化。情報量が多いのはありがたい反面、これは編集でもっともっと読みやすくなったのでは?(脚注の付け方、情報の出し方、見せ方)出版社にあとちょっとがんばってもらいたい。2020/04/13
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