目次
第1章 偽史の原型
第2章 国体論の三大支柱
第3章 精神を蝕む毒・教育勅語
第4章 家族国家論と先祖祭祀の虚構
第5章 浸透する天皇教
第6章 臣民教育の徹底
第7章 偽史教育とオカルト
第8章 孤独の王
第9章 昭和から平成へ
著者等紹介
藤巻一保[フジマキカズホ]
1952年北海道生まれ。作家・宗教研究家。中央大学文学部卒。雑誌・書籍編集者を経たのち、宗教を軸とした歴史・思想・文化に関する著述活動を行う。東洋の神秘思想、近代新宗教におけるカルト的教義と運動に関する著作を数多く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tom
5
暴力革命によって起こった事実上の薩長幕府である明治政府は、自らの正統性を訴えるために王政復古を持ち出した。その論拠となるのが万世一系の天皇の統治という国体。著者は国体論の三本柱として、大日本帝国憲法、国家神道、教育勅語を挙げている。これらを足掛かりにして日本人を「臣民」へと教化していった。その事実に基づいて著者曰く「天皇教」。明治政府による天皇教の布教は成功し、明治の終わり頃には天皇を批判できるムードは国民の間からは消えていた。日清、日露の戦争を通して、さらに高まっていく。2023/07/22
がんちゃん
2
支持します。この問題にきっちりと決着をつけないままでいることが、ずっと続いている。ある人はこの本に書かれていることは、全くの出鱈目だと言うんだろうな。2024/11/04
onepei
1
自縛して徐々に身動きが取れなくなっていくような印象。2022/01/06
佐倉
1
日本古来の信仰とされる国家神道は江戸時代に提唱され明治以後、国家統合のために利用された、いわば作られた伝統であり幻想である……という論から話がスタートする。そして明治~終戦までの日本がいかにこの幻想に飲み込まれていくかということを個々の事例を紹介しながら示していく。 読み終わって自分の歴史観も「万世一系の天皇は日本の伝統の体現者である」ということを前提にしていることを自覚させられる。考えてみれば日本史上、天皇がここまでフィーチャーされる近代以後は希な状況であるはずなのに……
hotsoy
1
何か居心地の悪さを感じてしまう皇室に対する各種論議、一つの解・ヒントを与えてくれる大切な一冊だと思います。 私には反論する知識は有りませんが、一つはっきりした事が有ります。 何人(なんぴと)たりとてマインドコントロールに支配される! 己れのリテラシーを磨く以外に方策有りません。2021/10/18